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【経済Q&A】

首都圏電力 大手有利、再生エネ試練

 中部電力と大阪ガスは二十七日、首都圏で電力・ガスを販売する新会社を四月に設立すると発表した。中部電の電力販売量、大ガスのガス販売量はともに業界二位だが、それぞれ本拠地の中部、関西地方で他社に顧客を奪われていることから、電力・ガス需要が全国トップの首都圏に攻勢を掛ける。大手の競争激化により、再生可能エネルギーを手掛けたい小売事業者などは経営がさらに厳しくなりそうだ。

 Q 中部に拠点を持つ中部電と、関西に拠点を持つ大ガスが、なぜ首都圏に進出するのですか。

 A 全国の電力・ガス需要の三〜四割を占める一大消費地だからです。首都圏は他の地域に比べて格段に人口が多く、現在も増え続けています。また、多くの企業が集積しており、今後も多くの需要が見込めます。

 Q 二社の進出で電気やガスの料金は下がるでしょうか。

 A 具体的な料金メニューはまだ明かされていませんが、中部電の勝野哲社長は「競争力のある料金を目指したい。期待してほしい」と自信をみせています。住宅や自動車メーカー、通信会社などと幅広く連携し、料金以外でも新しいサービスを提供していくとみられます。

 Q 競争が激しくなりそうですね。

 A 電力小売りの全面自由化は二〇一六年にスタートし、小売事業者は全国で計四百五十九(今年二月末現在)に上ります。しかし、ノウハウや資源に乏しい事業者や、体力のない中小ベンチャーは、首都圏などの競争の激化で淘汰(とうた)されてしまうかもしれません。ある新規参入の関係者は「生き残れるのは一部で、結局、大手が勝つのでは」と話しています。

 Q 大手電力はどうして有利なのですか。

 A 大手は発電した電力の大半を自社グループ内で抱え込んでいるため、小売事業者が電力を安く調達しにくくなっています。また、新規参入の事業者は大手の送電線を借りることになります。太陽光や風力など再生可能エネルギーを手掛けたい発電事業者が大手から送電線の高額な増強費用を求められる事例が全国で起きており、再生エネ事業者が競争に勝ち抜くのは難しい状況となっています。 (伊藤弘喜)

 

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