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【経済Q&A】

骨太の方針 借金財政 日銀が肩代わり

金融政策決定会合後に記者会見する日銀の黒田総裁=15日、日銀本店で

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 政府が十五日、「骨太の方針」で決めた財政再建目標の隠れたポイントは、日銀が借金を「肩代わり」して財政を支える構図です。最大の問題は将来のリスクを膨らませ、国民負担につながる可能性が高まることです。論点を整理しました。 (渥美龍太)

 Q 政府の「借金体質」は日銀にも責任があるのですか。

 A はい。日銀は「金融緩和」という政策で、政府の借金証書に当たる国債を民間銀行から大量に買い、政府の借金を肩代わりしています。利子がわずかな国債でも機械的に爆買いするため、政府は有利な条件で借りられます。二〇一七年度の国債の発行残高は、黒田東彦(はるひこ)総裁が政策を始める前の一二年度と比べ約百六十兆円増えましたが、政府が支払う国債の利払い費はほぼ変わっていません。

 Q 楽に借金ができて、その分のお金を政策に使えるなら良いことでは?

 A 問題は日銀が金融緩和を止めて、世の中の金利を引き上げる「出口戦略」に移ったときです。金利を上げるためには、民間銀行から預かった「当座預金」のお金に支払う利率を上げる操作をします。銀行への利払いが急増して大きな赤字に陥り、政府が穴埋めしたとき国民負担が生じます。日銀が国債を買った代金は当座預金に積み上がるため、政策を続けるほどに利払いは増えます。損失が十兆円を大きく超えるとの民間試算も複数出ています。

 Q 金利を上げず、国債も買い続ければよいのでは。

 A それでは国民の資産を目減りさせる悪性のインフレや、過度な円安が起きる恐れが出てきます。これは景気や物価の過熱を抑えるという、中央銀行の本来の使命を放棄するのと同じです。使命を果たせば大きな赤字に陥り、借金の肩代わりを続ければ経済混乱のリスクが高まるわけです。

 Q 問題点を国民に説明しないのですか。

 A 黒田総裁は十五日の記者会見で「財政の運営は政府国会の責任」と話すだけで、肩代わりの説明を避けました。これまでも将来の国民負担の問題に全く触れていません。日銀は政府に従って財政を助ける機関へと変質しつつあります。

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