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【経済Q&A】

日本の核リスクに厳しい目 原爆6000発分 プルトニウム削減進まず

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 日米原子力協定が16日で30年の満期を迎え、自動延長となります。協定を根拠にしている日本の原子力政策に国際的な懸念が高まっています。なぜでしょうか。 (伊藤弘喜)

 Q 日米原子力協定とはどのような協定ですか。

 A 原子力関連の物資や技術の扱いを、発電など平和目的に限って日本に認める取り決めです。原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し再利用を目指す「核燃料サイクル」に日本が取り組むことを可能にしています。米国は多くの国々と原子力協定を結んでいますが、プルトニウムの取り出しを認めているのは、核兵器を持たない国では日本だけです。これに関し、近年は海外から風当たりが強まっています。

 Q どんな懸念があるのですか。

 A プルトニウムの再利用が進まず、原爆六千発相当の約四十七トンをため込んでいるからです。日本に核兵器を持つ意図がなくても、国際的に波紋を広げています。中国や北朝鮮は日本の核開発の可能性を指摘。サウジアラビアは日本と同様にプルトニウムの取り出しを認めるよう米国に要求しています。核開発を見据えているとされるサウジに認められれば、近隣諸国も追随しかねません。

 Q 米国は日本にどう対応しているのですか。

 A トランプ政権は表立っては動いていません。ただオバマ前政権で国務次官補を務め日本に懸念を伝えてきたトーマス・カントリーマン氏は、六月に本紙の取材に「トランプ政権も同様に懸念を抱いている」と話しました。北朝鮮が日本のプルトニウム保有を口実に非核化に抵抗する恐れがあるため、「北朝鮮の非核化交渉にも影響が及びかねない」というのです。日本にプルトニウムの削減を求める「外圧」が強まる可能性があります。

 Q 日本はどう対処していくのですか。

 A プルトニウムを減らす有効な手段に欠けています。政府は通常の原発で使う「プルサーマル発電」を挙げていますが、この方法が使えるのは再稼働した九基のうち四基だけ。一基で消費できるのは年〇・五トンにとどまります。プルトニウムを生む核燃料サイクルそのものをやめる時期にきているといえます。

 

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