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【経済Q&A】

日米新貿易協議 始まる 米農家の不満解消狙う

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 日米両政府が九日にワシントンで開いた貿易協議の初会合で、米国が日本にFTAを念頭においた二国間交渉を求めました。なぜ米国はFTAにこだわるのでしょうか。 (矢野修平)

 Q なぜ米国はFTAを求めているのですか。

 A 米国を除くTPPと欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が来年にも発効する見通しで、欧州やカナダ、オーストラリアなどから日本への農産物の関税が下がります。一方TPPから離脱した米国産農産物は高関税のままで、米国内の農家が「日本市場でシェアが奪われる」と懸念しています。

 Q FTAは米農家の不満解消につながるのですか。

 A 米国にとって、日本の農産物関税を下げるには日米二国間のFTAしか手段がありません。世界貿易機関(WTO)のルールでは、特定の国との間で特定の品目の関税だけを下げることは禁止されています。例外がFTAで、貿易量の九割以上となる幅広い品目で関税を撤廃することが協定の条件となっており、FTAを結べば、日本市場に農産物を大量に売り込めるとみているのです。

 Q TPPとは何が違うのですか。

 A TPPは多国間のFTAです。参加国が多いため交渉では米国の強引な要求に対し、残る国が連携して対抗できました。一方、日米FTAでは一対一の直接対決となるため、国力の差が交渉力に直結します。日本政府は、農産物の関税引き下げを迫られる一方、米国向けの自動車関税は高止まりするなど大幅な譲歩を強いられかねないとみており、回避したい考えです。

 Q 回避できるのでしょうか。

 A トランプ氏は二国間交渉を求める一方で、十一月の中間選挙に向け、短期的な成果を求めていると日本政府はみています。政府は米国産液化天然ガス(LNG)の輸入増など米国経済への貢献策を示すことで、要求をかわす戦略です。

 

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