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【経済Q&A】

米追加関税 なぜ日本車標的 「米国の雇用に打撃」主張

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 トランプ米政権が検討する自動車と自動車部品への追加関税に関し、米商務省は導入の可否の重要な判断材料となる調査報告書を近く提出します。なぜ、米政権は自動車を標的にしているのでしょうか。 (森本智之)

 Q 日本の自動車メーカーは米国へはどれくらい輸出しているのですか。

 A 二〇一七年は百七十三万台で、日本から世界に輸出する四割近くを米国向けが占めるほど、大きな市場です。一方、メーカー各社は米国内に生産拠点を持ち一七年には輸出量の二倍以上に当たる三百七十六万台を生産しています。三十年で六倍に増えました。

 Q なぜ、米国は追加関税を掛けようとしているのですか。

 A 日本からの自動車や部品の輸入が、米国の自動車産業の業績や雇用にダメージを与えているとして自動車輸入への批判を高めています。乗用車への関税を現在の2・5%から十倍の25%に一気に引き上げることなどを検討しています。中間選挙を十一月に控えたトランプ大統領としては、中西部各州などの工業地帯の有権者にアピールする狙いがありそうです。

 Q 今後の見通しは。

 A 米政権は特定の製品の輸入が国の安全保障を脅かしていると判断すれば、輸入制限策を取れると規定する法律の適用を検討しています。商務省は近く安全保障上の脅威になっているかについての調査報告をまとめる方針です。これを受けトランプ氏は中間選挙前にも関税引き上げの可否を判断する可能性があります。日本は現地生産で地域の雇用や米国経済に貢献してきた、と主張しているのですが、米政権には聞こえていないようです。

 Q 日本のメーカーはもっと米国に工場をつくるしかないのですか。

 A そう簡単ではありません。自動車は一台つくるのに二万〜三万点もの部品を要し、多くの部品メーカーに支えられています。生産を移しすぎると、自動車メーカー自身の工場の雇用が維持できなくなるだけでなく部品メーカーの工場も空洞化し、日本経済全体に悪影響が出かねません。トヨタ自動車は国内生産の目標を年三百万台以上としています。豊田章男社長は「日本のモノづくりを守るために必要な台数」と表現しています。

 

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