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【経済Q&A】

就活日程、現1年生も維持 政府主導に変わったが ルール破りの対策示せず

 政府は二十六日、学生の就職活動ルールについて、現在の大学一年生に当たる二〇二二年卒業以降の学生についても、当面は現行日程を維持する方針を固め、二十九日の関係省庁連絡会議で正式決定します。当初、今回の会議では現行日程を維持する対象は現在の大学二年生までにとどめ、それ以降の卒業生についてはその都度決めるとしていました。なぜこのタイミングで対象を拡大したのでしょうか。 (木村留美)

 Q 当面維持することを決めた背景は。

 A 政府は経団連が今年急にルールづくりから降りてしまったことで、取り急ぎ二一年卒の学生についてルールづくりに乗り出しました。もともと経団連も今年三月に二〇年卒の日程を公表するなど、毎年日程を決めていたため、政府も当初は同じように今年の会議では二一年卒の日程だけを決めようとしていました。しかし、その先はどうなるのか、現在の大学一年生や大学関係者の間に不安が広がったため当面は維持する方針であることを早めに打ち出すことにしました。菅義偉官房長官が二十六日午前の記者会見で現在の一年生以降について「当面は学生の不安を生じさせないように配慮する」と述べました。

 Q 二二年以降について「当面は」としているのはなぜ。

 A 大学側も経済界も現在の新卒一括採用を前提とすれば、何らかの日程に関するルールが必要と考えています。しかし、政府や経済界は未来投資会議の議題にもしていますが、中長期的には新卒一括採用自体を見直そうと考えています。新卒一括採用がなくなれば、日程は不要になるわけで、それまでの「当面は」と言えます。とはいえ新卒一括採用を見直すことは日本型の雇用制度の抜本的な改革になり労働者全体を巻き込む問題になっていくため、相当時間がかかりそうです。

 Q 日程はこれまでと大きな変更点がなさそうですが、経団連から政府にルールづくりの主体が代わることの影響はあるのでしょうか。

 A 外資系や新興の企業が存在感を増している中で、経団連という経済団体の一つが日程を守ることを企業に呼び掛けルールを維持することに限界があったのは確かで形骸化は顕著になっていました。このためルールを廃止したわけですが、政府主導でも大きな変更点はなく「要請」にとどめる考えです。守らなかった企業に対しても「罰則を科すことは難しい」(内閣官房幹部)と、ルール破りを防ぐ有効な手だてを示せていません。就職活動の早期化や長期化の流れを食い止められるかは疑問で、ルールを見直す余地はありそうです。

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