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【経済】

ご当地電力 広域提携へ 4月自由化 自治体参入続々

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 今年四月から始まる新制度「電力小売り自由化」に合わせて、関東や中部などで「ご当地電力」を進める地方自治体のうち、少なくとも十を超す自治体が電力の販売に提携を検討していることが分かった。電力会社以外の企業などが家庭に電力を売ることができる新制度をきっかけに、各自治体は発電会社と価格を交渉し地元の電気料金を引き下げる。さらに再生可能エネルギーの発電所の誘致などで雇用創出・地域振興にもつなげ、大手電力会社に対抗する。 (吉田通夫)

 地域で使う電力を、その地域で発電し利用する電力版の地産地消が「ご当地電力」。少子高齢化が急速に進む地方自治体が力を入れるのは、電力小売り自由化をきっかけに「ご当地電力」が新たな地域振興策につながるためだ。域内に誘致した太陽光発電所などによる雇用創出に加え、安価な電力の販売は住民や地元企業にも利益になる。電力の小売企業が目を向けにくい場所ならば、住民らは購入先の選択肢が広がる。

 電力販売に向けて、すでに動きだしている自治体の中核になるのが「ご当地電力」の先駆けとして福岡県みやま市と地元企業が設立した「みやまスマートエネルギー」。ここに熊本県合志市など九州の九団体と全国各地にある「ご当地電力」の一部や今後の参入を考えている自治体も提携に向けた検討に加わっている。

 「ご当地電力」に取り組むこのグループは、提携で電力調達の交渉を共同で進める。自社管内の顧客が必要とする電力を予想して供給を調整する業務を「みやまスマートエネルギー」が代行するなどして運営費を圧縮。グループの管内の電力が足りなくなった場合、他社から余力のある電力を受け取れるようにすることなども検討している。

 NTTデータ経営研究所の村岡元司社会・環境戦略コンサルティングユニット本部長は「自治体がかかわる電力販売の会社は地域の活性化や地方での競争を促す意味で意義がある」と評価する。だが、「利益を確保して企業として存続できるかが課題」(村岡氏)とも指摘。このため各社・団体は提携で運営費を抑え、利益の確保を目指している。

<電力の小売り自由化> 今年4月から一般の家庭も、大手電力以外の企業と電力の購入契約を結べるようになる改革。競争を促し消費者へのサービスを向上させることが狙い。2015年12月末現在、ガス会社や石油会社、携帯電話会社など全国で89社が小売り事業者として政府に登録し、順次、料金メニューも公表する。

 

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