東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

進まぬ電源構成開示 電力自由化まであと1カ月

写真

 4月の電力の小売り全面自由化が1カ月後に迫った。電力の小売り各社(新電力)は料金の安さや独自のサービスをPR。全国で23万件以上の家庭が契約先を大手電力から切り替えた。一方、どんな発電所から電気を仕入れているかを消費者に知らせる「電源構成の開示」はあまり進んでいない。 (岸本拓也)

 電源構成の開示について、経済産業省は指針で「開示は望ましい行為」と位置付けた。経産省の担当者は「義務ではないが、発電実績や調達計画に基づく電源構成の開示を自主的に進めてほしい」と促す。

 しかし、四月から首都圏で電力小売りに参入する主な新電力が、電源構成をホームページなどで開示しているかどうかを本紙が調べたところ、記載していたのは三社にとどまった。

 二〇一四年度の発電実績を電源構成として明記していたのは、石油元売り系のJXエネルギーと、昭和シェル石油。JXは液化天然ガス(LNG)火力と石油火力が中心だが、約一割を再生可能エネルギーのバイオマス発電が占めた。

 JXの広報担当者は「お客さまに安心感や信頼感を感じてもらえる情報の開示に努めている」と話した。

 昭和シェルはLNG火力が大半だが、一五年十一月に国内最大級の京浜バイオマス発電所(川崎市)を稼働させ、家庭向け電源として活用するという。

 再生エネの電力調達に力を入れるみんな電力(東京)も、電源構成を公開。国の固定価格買い取り制度(FIT)で交付金を受けて調達した太陽光が四割、制度を使わず調達した太陽光が三割、残りは大手電力から調達する。ただし太陽光が計七割というのは、出力が最大のときの値で、常に開示通りの発電量の構成とはならない。

 東京急行電鉄系の東急パワーサプライは三月中に、ケーブルテレビ大手のジュピターテレコムは近く開示するという。東京電力など大手電力は、年間の電源構成などを公開しており、現在は大半が火力だ。

 家庭向けの電力プランに五万件以上の申し込みがあった東京ガスは「開示は検討中」(広報)という。

 欧州ではドイツなど多くの国が電源構成の開示を義務付けている。一方、日本では小規模な新電力にとって事務負担が増えることや、電源が違っても家庭に届く電気の質は変わらないため、経産省は「開示しなくても消費者に具体的な不利益はない」とし、罰則のない努力義務にとどめた。

 

この記事を印刷する

PR情報