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【経済】

アジア攻勢、日本家電衰退 中国大手へ東芝「白物」売却方針

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 経営再建中の東芝が冷蔵庫など白物家電事業を中国家電大手の「美的集団(ミデア・グループ)」に売却する方針が明らかになった。戦後の経済成長と歩みを共にしてきた東芝の家電事業が外資に売却されることは、凋落(ちょうらく)する日本の電機産業を象徴している。シャープも台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との買収交渉が週内にも正式に合意する方向。アジアの新興企業の手を借りて再建を目指す各社だが、売れるモノを作れるようになるかは未知数だ。(吉田通夫、伊藤弘喜)

 白物家電を手掛ける事業子会社「東芝ライフスタイル」の株式の大半を数百億円で売却する。一時は産業革新機構の主導でシャープと統合する案が浮上していたが、シャープが鴻海への傘下入りを決めたため別の売却先を探していた。医療機器の製造子会社もキヤノンに売却、パソコン事業も他社と統合する方針だ。

 東芝は一九五五年に日本初の自動電気炊飯器の開発に成功。六九年からは国民的アニメ「サザエさん」のスポンサーとなって、茶の間での認知度を上げたが、原発など「重電」と言われる事業に傾斜する中で輝きを失った。

 東芝やシャープだけでなく、日本の大手電機各社は、二〇〇〇年代前半から業績不振に苦しんできた。日本は人口減により市場が縮小。海外でもデジタル製品はサムスンなど韓国勢、冷蔵庫など「白物家電」は中国勢に追われた。

 日本勢はリストラに踏み切り、パナソニックは「プラズマ」というテレビ技術から撤退し、傘下の三洋電機の白物家電事業を中国の家電大手ハイアールに売却。ソニーもパソコン事業から撤退した。

 収益面で回復した企業もあるが、事業縮小と人員削減によるものでヒット商品が生まれているわけではない。商品力で存在感を高めているのは欧米勢。「サイクロン式掃除機」は英ダイソンが開発し、一台数万円と高価だが日本でヒットした。「ロボット掃除機」も、米アイロボットの「ルンバ」が先駆けだ。

 人工知能(AI)やインターネットと機器が結びつくIoTと呼ばれる分野でも日本勢の影は薄く、慶応大大学院の小幡績准教授は「過当競争の構図は当面、変わらないだろう」と分析。日本の電機メーカーが消耗戦から脱して成長できるかは、はっきりしない。

 

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