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【経済】

広島の折り鶴、赤ちゃん守る 千趣会がよだれかけなどに再生

折り鶴レーヨンを織り込んだガーゼ地のスタイ

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 広島市の「原爆の子の像」などにささげられた折り鶴を繊維に再生し、製品化する試みが行われている。集まった折り鶴を捨てずに済むだけではなく、製品を手にしてもらうことで平和を考えてもらうきっかけになる。こうした狙いに賛同した通販大手の千趣会(大阪市)は二十六日、折り鶴で作ったレーヨンを織り込んだ赤ちゃん向けガーゼ製品を発売した。 (北條香子)

 広島市には年間約一千万羽の折り鶴が寄せられるが、以前は清掃工場で処分していた。しかし、被爆者や鶴を折った人々の思いに配慮するため活用の検討を開始。「折り鶴が形を変えていろいろな人の手に届くことで、鶴に込められた平和への願いがつながっていく」との考えから、二〇一二年度に希望する市民らに折り鶴を配布し再生してもらう取り組みを始めた。これまで広島市内の小学生が配布された折り鶴で平和のアート作品を作るなどしているという。

 折り鶴レーヨンは大阪市の繊維会社オーミケンシが製造。レーヨンは木材パルプが原料で、同社は以前から古紙の繊維化の研究を進めていた。古紙再生業の日誠産業(徳島県阿南市)が広島市から譲り受けた折り鶴をパルプ化し、オーミケンシがレーヨン糸や生地に生まれ変わらせた。昨年のイタリア・ミラノ国際博覧会(万博)では、日本館の子ども向けイベントで用いられたリボンに、折り鶴レーヨン糸が使われた。

 千趣会が今回、企画・開発したのは赤ちゃん用のスタイ(よだれかけ、税込み千六百九円)やガーゼケット(三千二百二十九円)など四製品。愛媛県今治市産のガーゼ生地に折り鶴レーヨンを織り込んだ。素材は綿95%、レーヨン5%で、吸水性に優れ、さらりとした肌触りに仕上がった。通信販売サイト「ベルメゾンネット」などで販売する。

 担当者は「折り鶴を再生するという取り組みに感銘を受け、千趣会でロングセラーとなっている今治ブランドと掛け合わせた。新しい命である赤ちゃん向けの製品は、平和の願いにふさわしいと考えた」と話している。

 広島市によると、オバマ大統領が五月末、原爆資料館に折り鶴を寄贈したことをきっかけに、原爆の子の像にささげられる折り鶴も増えているという。

 

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