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【経済】

モーター生産加速 ホンダがHV販売戦略

鈴鹿工場で生産される米国向け「フィット」

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 ホンダは二十三日、浜松市と三重県鈴鹿市の両工場を報道関係者に公開し、ハイブリッド車(HV)用モーターの生産体制を強化したことを明らかにした。ホンダはHV、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)などモーターを使った車の世界販売台数に占める割合を、昨年の5%から、二〇三〇年には三分の二まで増やす計画で、そのスタートを切った形だ。

 ミニバン「オデッセイ」やセダン「アコード」のHVモーターを生産している浜松工場は今年七月、好調な販売に支えられ、両車種のモーター生産ラインを一本から二本に増強した。十月には三本に増やし、生産能力は三倍になる。

 軽自動車や米国向け「フィット」、多くのHVモーターなどを生産する鈴鹿工場ではこの日、九月十六日に発売予定の小型ミニバン「フリード」用HVモーターの製造も始めた。

 HVモーターの製造には、中国などで採掘される「重希土類」のレアアースが必要となる。しかしフリードには、重希土類が不要のモーターを初めて採用した。モーター需要の増大や採掘国の政情不安によって、将来的に重希土類が調達できなくなるリスクに備える。

 生産担当の山根庸史(ようし)専務執行役員は「モーターの開発と生産は、電動化の普及に向けた重要なポイント」と述べた。

 このほか次世代環境車に関してホンダは、一八年までに北米でPHV新型モデルを発売する方針を示している。

◆排ガス削減 強まる環境規制

 ホンダが今後開発に力を入れるプラグインハイブリッド車(PHV)は、欧州メーカー主導で車種が増えており、国内ではトヨタ自動車や三菱自動車などが生産。電気自動車(EV)は日産自動車や米テスラ・モーターズが他社をリードしている。開発が加速するのは、排ガスの削減を求める環境規制の動きが世界的に強まっているためだ。

 特に米カリフォルニア州などの規制は厳しく、「一定台数以上を販売する自動車メーカーは、販売台数の一定比率を無公害(低公害)車にしなければならない」という規制が、二〇一八年から強化される。これに伴い、ガソリン走行が主となるハイブリッド車(HV)はエコカーの枠から外れる。

 規制に対応しようと、各社は家庭用電源などから充電できるPHVやEVを増やす計画。ホンダはHV用モーター設備を増強するが、将来PHV、EVのモーター製造にも転用できる。

 だが、高い製造コストなどを理由にPHVとEVの普及は進んでいない。コンサル会社のデロイトトーマツコンサルティングによる昨年の消費者調査では、EV購入で気になる点として「製品の価格が高い」との回答が50%に上った。自動車メーカーは現在、電池メーカーなどとも組んで製造コストの低下を図っている。 (妹尾聡太)

 <次世代環境車> 二酸化炭素(CO2)の排出量がゼロか非常に少ない自動車。充電してモーターで走る電気自動車(EV)、水素と酸素の化学反応で発電してモーターを回す燃料電池車(FCV)、ガソリンエンジンとモーターを併用するハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車(PHV)などがある。

 

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