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【経済】

TPP参加国大使と確認「再交渉はせず」  米は両候補とも「反対」

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 石原伸晃経済再生担当相は十二日、東京都内の駐日米大使公邸で、環太平洋連携協定(TPP)に合意した米国など十一カ国の駐日大使と会い、協定内容を修正するための再交渉はしないことを確認した。米国内で高まる再交渉の機運をけん制して早期発効を促す狙いだが、参加国の経済規模の八割以上を占める日米両国では国内の反発は根強く、発効時期は依然として見通せない。

 石原氏は冒頭で、八月下旬から九月上旬にかけてニュージーランドとシンガポール、マレーシアを訪問したことに触れ「再交渉はせず、早期発効に向けて国内手続きを加速することで一致した」とあいさつ。会合を主催した米国のケネディ駐日大使も「今年中に議会で(TPP協定を)成立するというオバマ大統領の決意をあらためて強調する」と述べ、国内手続きを急ぐ政府の方針を説明した。

 TPP交渉は昨年十月五日に合意し、今年二月四日には署名式も終えて条文が固まったが、七カ月たった今も国内手続きを終えた国はない。各国が慎重なのは、米国内でTPPに対する反発が収まる気配がなく、今後の出方を見極めようと警戒感を強めているためだ。

 米国内では、日本が米国から輸入する牛・豚肉など農産品の関税を残す一方、米国は日本から輸入する自動車や自動車部品の関税を撤廃するため、業界団体や労働組合が反発。これを受けて十一月の大統領選の候補者は相次いでTPPへの反対を表明してきた。オバマ米大統領は早期発効を呼び掛けるが、同じ民主党の大統領候補であるクリントン氏は「米国の利益に合わない」と交渉のやり直しを公言している。

 日本側は「米国が反発するということは、日本にとって良い内容の協定だということ」(内閣府関係者)と強調。「国会に早く承認してもらい、協定の内容を確定して再交渉の余地がないことを示す」(外務省関係者)として二十六日から始まる秋の臨時国会でTPPの承認と、関連する十一法案の成立を目指す。

 だが日本も農業分野で大きな譲歩を迫られ、七月の参院選では、農業が盛んな北海道や東北地方でTPP推進を訴えた与党候補が相次いで落選。根強い反発が浮き彫りになった。

 政府関係者の間で「再交渉せず早期発効を急ぐ」と一致しても、日米とも国民の不安は解消しておらず、議会承認や発効への道のりは険しい。

 

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