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【経済】

核のごみ最終処分場「適性高い」は誤解招く 経産省、候補地図の公表延期へ

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 経済産業省は十八日、使用済み核燃料など原発から出る「核のごみ(高レベル放射性廃棄物)」の最終処分場を建設できそうな地域を示す地図づくりの基準について用語を見直すことを決めた。「適性が高い」などとする言葉遣いが誤解を招くとして修正するといい、十二月を予定していた地図の公表は年明け以降にずれこむ可能性が高まった。年明けの観測もある衆院・解散総選挙への配慮も垣間見える。(吉田通夫)

 十八日の有識者会合「放射性廃棄物ワーキンググループ」で、基準づくりを担当する作業部会の杤(とち)山修委員長(原子力安全研究協会技術顧問)が、基準案に対する意見公募(パブリックコメント)で批判的な意見が寄せられたなどとして用語の修正を申し出た。変更した基準案を複数の有識者会合に諮る必要があるほか、再び意見公募にかける可能性もあり、年内の地図の公表は難しくなった。

 基準案では、火山や断層からの距離など自然条件を基に日本列島を「適性が低い」「あり」に分け、「あり」の中でも海上輸送に便利な沿岸部や島しょ部は、海底も含めて「適性が高い」地域として色分けすることにしていた。

 これに対し、八月九日から九月八日までの意見公募で「沿岸海底部などに(候補地を)絞り込む『より高い』は入れるべきではない」「押しつけようとしている」といった批判が寄せられていた。

 用語の見直し方針の背景には、解散総選挙に向け、地域からの批判を招く色分け作業を遅らせようという配慮も見え隠れする。杤山氏は八月九日に基準案をまとめた際、意見公募しても内容を変えることはないと思うとしていたが、この日は一転して「各方面からいただいた指摘を受け止め丁寧に対応していく」。

 経産省幹部は「選挙は関係ない」と言う。

 だが、公募に集まった意見は六十八件で、将来の電源構成で「原発を20〜22%にする」との方針に対して千五百件近い反対があったにもかかわらず方針を曲げなかった経産省にしては物分かりが良すぎる結果となっている。

 経産省は、自然条件を基に最終処分場の建設が可能な区域を示した上で人口密度など社会的条件も検討して受け入れ自治体を探す方針は変えていない。

 

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