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【経済】

東証一転急騰 トランプ氏への警戒緩む

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 十日の東京株式市場で、日経平均株価は全面高の展開になった。前日一時一〇〇〇円超も下がった株がなぜ一転上昇したのか。(中沢佳子、ニューヨーク支局・東條仁史)

 Q 株はなぜ上がった。

 A 前日トランプ氏勝利の懸念で急落した東京市場が閉まった後、トランプ氏が勝利演説をした。同氏はそれまでヒラリー氏や外国を攻撃していたのにこの演説では「紛争でなく、パートナーシップを探る」と穏当だった。これで投資関係者の警戒感が緩んだ。さらに演説で、インフラ投資を拡大する、と強調したことから、公共事業の増加で米国の成長率が高まるとの期待が出てきたんだ。だから東京市場でも鉄鋼や建設機械など関連株が買われた。

 Q 米国市場も上がったようだね。

 A もともと、トランプ氏は、リーマン・ショック後に大手金融機関を律するためにできた規制を、「緩める」と発言しており、米国の金融関係者の受けは悪くなかった。大統領選と同時に行われた議会選挙では米議会の上院、下院ともに共和党が過半数を占め、彼の政策が実現されやすいという見方が強まった。規制緩和を期待し、銀行や証券会社の株が買われた。

 Q 円安も進んだね。

 A トランプ氏は法人税大幅引き下げや公共投資で景気をテコ入れするといっている。実現するためにはお金がたくさん必要なので、米国政府は国債を大量に発行して市場からお金を集める必要がある。そのためには国債の金利も上げる必要があるだろうとの予想から、米国の市場金利が上がっているんだ。日本の市場金利はほぼゼロなので、投資家は米国でお金を運用した方がよいと考え、円を売ってドルを買う人が増えたんだ。円安は日本の輸出メーカーの利益を押し上げるから、これも日本の株価回復の要因となった。

 Q 株はもっと上がるの。

 A 同氏の政策の行方は不明なことが多い。外国製品への関税の引き上げや北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しなど彼の保護主義的な主張が実現すればマイナス要因だ。大手証券関係者も「政策を見極めながら、株価が乱高下するだろう」と予想している。

 

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