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【経済】

新電力利用者から怒りの声 「原発の電力強制、納得いかない」

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 経済産業省は五日、電力自由化に伴い新たに参入した電力の小売り会社(新電力)にも、原発でできた電力の販売を促す仕組みをつくることを決めた。福島第一原発事故の賠償費用や他の原発の廃炉費用などを、新電力の契約者に負担させることと引き換えに、価格を抑えた電力を新電力が調達しやすくする。販売できる電力が増える一部の新電力は歓迎するが、原発による電力を使いたくない消費者からは批判も出ている。

 経産省がこの日、有識者会合「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」の作業部会で方針を示した。二〇二〇年度をめどに「ベースロード(基幹)電源市場」を創設。大手電力会社に対し、原発に加えて石炭火力発電など、天候に左右されにくい電力を抑えた価格で拠出させる。新電力が販売したい電力の三割を調達できるようにする。

 自前の発電所を持たない新電力も多く、安定して電力を調達できる仕組みは魅力的。だが新電力が原発に手を出しやすくなれば、原発から離れたい消費者の選択の幅は狭まる。小規模な再生可能エネルギー発電を集めて売る新電力「みんな電力」(東京)の三宅成也(せいや)事業本部長は「大手電力と原発の保護策で電力自由化の趣旨に反する」と話す。

 経産省の担当者は「原発による電力を売らないならベースロード電源市場で調達しない選択肢もある」と説明するが、その場合、新電力の契約者は料金が上がるだけで利点がなくなる。新電力「生活クラブエナジー」(東京)の浜田有士(ゆうし)統括部長は「今も苦しい中で大手電力と同じ料金で販売している。メリットがなく料金だけ上げられたら顧客が流出する」と話した。

 新電力利用者からも怒りの声が上がった。東京都文京区の建築雑誌編集長、西川直子さん(58)は「原発による電力を半ば強制的に選ばされるのは納得がいかない。電力自由化で原発によらない電力会社に切り替えた。安いものを選んでいるわけではない。将来に負担をかけないものを選んでいる」と憤る。自然エネルギー中心の新電力に切り替えた埼玉県越谷市の不動産業男性(65)も「原発が稼働しなくても電力は足りており、原発の電力に代える理由がない」と話した。

 

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