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【経済】

ホームドア 4年以内設置 10万人以上利用の駅対象

 国土交通省と鉄道各社は二十二日、視覚障害者が駅のホームから転落する事故を防ぐ方法を話し合う検討会を開き、一日に十万人以上が利用する駅で原則、四年後の二〇二〇年度までにホームドアを設置することを決めた。

 国交省によると、利用者が十万人以上の駅は都市部を中心に全国二百六十あるが、整備済みは三月末で八十二駅にとどまり、期限を設けて整備を加速させることにした。

 未整備のうち、JR京浜東北線の赤羽駅(東京都北区)や蒲田駅(東京都大田区)など約六十駅は、従来の横開き式のドアが設置可能という。

 車両ごとに扉の位置が異なったり、ホーム幅が不足したりして従来式では難しい駅は、ロープ式や昇降バー式の新型導入を推奨。五年をめどに整備に着手するよう求めた。十万人未満の駅も必要に応じ整備する。

 ソフト面では、駅員による視覚障害者の誘導案内強化に加え、一般客にも理解を求め、声掛けを促すよう取り組む。盲導犬の駅施設での訓練にも積極的に協力するようにする。

 八月に東京メトロ銀座線の青山一丁目駅で盲導犬を連れた男性がホームから転落して死亡した事故を受け、国交省と鉄道各社が六回にわたり検討会を開いてきた。

 国交省によると、視覚障害者の転落事故は過去五年平均で年八十件程度発生。十万人以上が利用する駅は全国約九千五百駅の3%弱だが、事故の約三分の一がこうした駅で起きている。

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◆多額の費用、工期など課題

 駅のホームは「欄干のない橋」に例えられ、視覚障害者らの転落や、車両との接触事故は後を絶たない。切り札となるホームドアの設置促進には、多額の費用や工期の長さ、車両規格の違いなどの課題をクリアするのが重要な鍵となる。

 ホームドアの設置には、ホームの補強工事や車両の改修が必要な場合もある。JR東日本は従来型より三割軽く、本体の費用が半分程度の「スマートホームドア」を町田駅(東京都町田市)で試験導入した。軽量で大規模な補強が不要なことからコスト削減と工期短縮が可能だ。

 JR西日本はホームに設けた支柱の間に張った五本のロープが上下する「昇降式ホーム柵」を開発した。扉数が違う車両に対応でき、特急用と通勤用車両が発着する高槻駅(大阪府高槻市)などに設置されている。

 また、京浜急行電鉄はセンサーで車両を識別し、開く扉の数を変えるホームドアの実証実験を三浦海岸駅(神奈川県三浦市)で実施している。

 各社はホームドア以外にも、転落防止にさまざまな対策を導入している。JR西が転落原因を分析すると、ベンチから立ち上がった酔客がそのまま線路に転落するケースが多いことが判明。百八十九駅でベンチの向きを線路と直角にした。

 また、ホームの端を目立つように着色した例も。JR東は首都圏にある九駅の一部ホームの端を赤やオレンジ色に、東京メトロも四十一駅で紅白にして注意喚起している。

 大阪市視覚障害者福祉協会の山野一美会長は「事故が起こらないとホームドアの設置が進まないのは残念だが、できるだけ計画の前倒しをお願いしたい。声掛けの取り組みも継続してほしい」と話した。

 

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