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【経済】

東芝、なぜ巨額損失発生? 「原発」で想定外の費用

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 二十八日の東京株式市場で、東芝の株価が前日に続き大きく下落し、終値は値幅制限いっぱいとなる前日比八十円安の三百十一円六十銭になりました。前日に原発事業で数千億円の損失が出そうだと発表したためで、経営は再び苦境に立たされています。なぜ経営を揺るがすほどの損失が出るのでしょうか、理由をまとめました。 (伊藤弘喜)

Q 損失の原因は何でしょうか。

A 米国の原発子会社が買収した米原発建設会社が必要とする費用が想定を大きく上回ることが分かったためです。不正会計問題を起こした東芝は原発事業を再建の柱にしようとしていました。その一環で、米子会社のウェスチングハウス・エレクトリック(WH)が昨年十二月に原発建設会社CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)を無償で買収したのです。S&Wの資産などの価値と負債などを比べたところ、ほぼ同額と判断して無償としました。しかし、その後にS&Wで想定よりも大きな費用が必要になることが判明しました。

Q どんな費用が膨らむのですか。

A 東芝の説明では人件費が予想外にかかるということです。原発事業は二〇一一年の東京電力福島第一原発事故の後、規制が厳しくなり、安全対策費が増えているという影響もあります。原発は、米国で「シェール革命」と呼ばれる採掘技術の向上が進んで天然ガス価格が安くなったことで、費用面で競争力が落ちています。計画から完成まで何年もかかるため、米国では近年、寿命を迎える前に運転を停止して廃炉にする動きも出ています。

Q 事故は買収前に起きたのに、分からなかったのですか。

A 事前調査が不十分だった可能性が高そうです。WHは米国でS&Wを含む複数の企業と工事を進めていましたが、費用の負担などを巡り企業間で争いが起きていました。「WHは事態の収拾を急ぐあまり、買収を焦ったのでは」とみるアナリストもいます。

Q 東芝は原発を事業の柱にし続けるのですか。

A 綱川智社長は「将来は事業の位置付けを見直す可能性はある」と話しています。世界では、仏アレバが新型原発の建設コストが膨らんだことで、経営危機に陥りました。ベトナム政府は資金不足や住民の反発を受け、日本が受注予定だった原発の建設計画の中止を決めました。

 

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