東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

日銀、株高下支えの上場投信購入 「10%超保有」が年内、13社に

写真

 金融緩和の一環として年六兆円のペースで上場投資信託(ETF)を買う日銀が今年、株式市場のゆがみを拡大させる恐れが強まっている。ETFは複数の株を集めてつくる金融商品で、これを日銀が多く買うことにより、日銀が実質的な大株主になる企業が増加。このペースで買い続ければ、今年末には日銀の保有率が10%を超える企業が十三社(ミツミ電機は今年一月下旬にミネベアと経営統合し上場廃止予定)に達することが、専門家の試算で分かった。 (中沢佳子)

 金融市場に詳しいニッセイ基礎研究所の井出真吾氏が昨年十二月二十日の株価をもとにまとめた試算では、今年末に日銀の株の保有率が10%を超える企業は、昨年末の三倍超の十三社にまで増える見通し。ユニクロを経営するファーストリテイリングでは、日銀の保有率が今年末に14・4%に到達。会長兼社長の柳井正氏(21・67%)に次ぐ第二位の大株主に浮上する。

 日銀などETFを多く持つ投資家は、ETFとそれを構成する株との交換も要求できる。日銀は「そういうことは想定していない」(幹部)というが、日銀も企業の大株主になり、企業経営に介入できる仕組みになっている。

 日銀が多くの企業の株を持つ問題点は、株価にもゆがみをもたらすことだ。株式市場に詳しいT&Dアセットマネジメントの神谷尚志氏は「過去に外国人投資家が日本株を六兆円買い越した年は、日経平均株価(225種)は三千円上がった」と指摘。「日銀は潜在的に日経平均を三千円押し上げる力がある」と話す。

 国民が納めた年金保険料の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も約三十兆円の日本株を持つ。「官製相場」が株価をゆがめているとの見方もある中、日銀が買うETFを構成する株には、業績が悪い企業の銘柄が含まれることも問題点だ。試算した井出氏は「株価が経営内容を正しく反映しなくなる恐れがあり、投資家は投資の判断が難しくなる」と話した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報



ピックアップ
Recommended by