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【経済】

北米モーターショー アピール先はトランプ氏 各社、米経済に貢献を強調

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 【デトロイト(米ミシガン州)=東條仁史、岸本拓也】世界最大級の自動車展示会「北米国際自動車ショー」が九日、米デトロイトで開幕した。米国の雇用流出を招いていると大企業を批判するドナルド・トランプ次期米大統領を意識した日米欧の大手自動車メーカーは、競うように米国経済に貢献し続けることを表明した。自動車業界の年頭を飾り、世界が注目する華やかな舞台は、新大統領に向けたアピール合戦の場に変貌した。

 米国で人気のセダン「カムリ」の新車発表会に登場したトヨタ自動車の豊田章男社長は同日、米国内で今後五年間で百億ドル(約一兆一千六百億円)の投資をすることを表明した。計画済みの案件の合計額で、トランプ氏の批判を受け増額したわけではない。それでも、豊田氏は「米国には十三万六千人の仲間(従業員)がいる」「トヨタは米国で三十年以上にわたり、二千五百万台以上の車を生産できた」と、これまでの実績を身ぶりを交えて強調することも忘れなかった。

 トヨタはメキシコで進める新工場の建設を、トランプ氏に「とんでもない。米国に工場を造るか、巨額の関税を払うか、どちらかだ」と、ツイッターで批判されていた。トヨタはメキシコでの計画を変更しない方針も示している。

 ホンダと日産自動車もトヨタに負けじと米国での生産増加やこれまでの投資の実績を訴えた。

 一方、トランプ氏にいち早く批判の矛先を向けられたゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターの米大手は、新政権と協力して経営を進めていく考えを訴えた。相次ぐ表明に、各社が大々的に披露した新車の注目度はすっかりかすんだ。

 米国でトランプ氏のように権力者が企業の経営に介入するのは通常はない。各社とも「政権に応じて投資判断を決めるものではない」(独フォルクスワーゲン米子会社のウェブケン社長)というのが本音だ。

 だが、米国が世界第二位の自動車市場で、自動車産業が部品メーカーも含め雇用の裾野が広く問題が起きれば解決は簡単ではないという現実がある。それだけに、政権とのあつれきをできるだけ避けたい思いもある。

 大手各社の相次ぐ表明にトランプ氏は九日、フォードとFCAに向けて「サンキュー!」とツイッターに投稿した。

 

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