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【経済】

6年ぶり貿易収支黒字 トランプ政権で縮小懸念 好調「自動車」がターゲット

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 二〇一六年の輸出額から輸入額を差し引いた貿易統計(速報、通関ベース)は四兆七百四十一億円の黒字となった。暦年ベースの黒字は一〇年以来六年ぶり。だが、国別の黒字額が最も大きい米国のトランプ大統領は「日本との自動車貿易は不公平だ」と強調。米国第一主義を掲げて保護貿易の姿勢を示しており、このまま貿易黒字が拡大するかは見通しにくい状況となった。

 米国に対する貿易収支は統計で比較可能な一九七九年以降、黒字が続いている。八〇年代に入り日本からの自動車や半導体の輸出が増え、八五年には対米貿易黒字が過去最高となる九兆四千億円弱に到達。米国内で反日感情が強まり、日本からの自動車輸出の自主規制をへて、米国での現地生産を拡大した。

 リーマン・ショック直後の〇九年には対米黒字は三兆円台まで減ったが、米国の自動車市場が好調で再び拡大しつつあった。

 トランプ氏の発言で、摩擦の再燃も懸念される対米貿易は一六年で、前年比4・6%減の六兆八千三百四十七億円の黒字だった。米国向け輸出は鉄鋼や半導体が減り、7・1%減の十四兆一千四百三十一億円と五年ぶりに減少。そのうち、自動車は0・6%増の四兆四千百十五億円と全体の31・2%を占める。一方、輸入は円高の進行で、小麦など穀物類の輸入額が減り、9・3%減の七兆三千八十四億円と輸出以上に落ち込んでいる。

 一六年の輸出総額は前年比7・4%減の七十兆三百九十二億円、輸入総額は15・9%減の六十五兆九千六百五十一億円だった。二兆七千九百十六億円の赤字だった一五年から収支が黒字となったのは、原油安の影響を主因とした輸入額の減少が、輸出額のマイナスより大きかったためだ。

 みずほ証券の末広徹氏は「トランプ氏には保護主義の政策による直接的な影響に加え、政策そのものの期待が外れて世界経済を冷え込ませる懸念がある」と指摘。世界全体で貿易量を落ち込ませかねない危険をはらむ。 (桐山純平)

 

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