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【経済】

米「FTA」と言わず 対日貿易赤字の削減が主な目的

 安倍晋三首相は二十六日、トランプ米政権からの二国間貿易交渉の求めに応じる可能性があることを示唆したが、自国第一を掲げ、保護主義的な通商戦略を進める米国と直接に対峙(たいじ)すれば、強硬的な要求を突きつけられることが懸念される。

 米国はどんな形で二国間の交渉を求めてくるのか。メキシコとの経済連携協定(EPA)交渉で首席交渉官を務めた慶応大の渡辺頼純教授は、トランプ大統領が日本に対し「貿易協定とは言っているが、自由貿易協定(FTA)とは言っていない。『自由』の方に向いていない」と注意を促す。

 FTAやEPAは、関税引き下げなどで自由貿易を進め、双方の経済を活性化させることが主眼だ。これに対し、トランプ氏の狙いは、あくまでも一方的な対日貿易赤字の削減。米国への輸入を減らし、日本への輸出を増やして自国の雇用を守る保護主義は、自由貿易の理念と相反する。

 日本は安全保障面で米国に頼っていることもあり、二国間の通商交渉では、常に苦しい立場に置かれてきた。特に一九八〇年代からの自動車の貿易摩擦は激しく、米国の外交圧力に対し、日本側は自主的な輸出規制や米国産部品の購入努力目標を定めるなどの対応を強いられた。今回もトランプ氏は日本の自動車市場について「公平ではない」と強く批判しており、初の首脳会談で米側は自動車問題を取り上げるとみられる。

 もちろんFTAやEPAでも、日本の苦境は変わらない。TPPなどの多国間交渉では、大国でも少数派になれば妥協が必要だが、双方の主張が直接ぶつかり合う二国間交渉では大国が優位となる。米国からTPPを上回る市場開放を迫られることになりそうだ。 (矢野修平)

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