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【経済】

米英、初の首脳会談 2国間 中国などに迫る構え

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 トランプ米大統領とメイ英首相が二十七日、米英の自由貿易協定(FTA)交渉開始を視野に、貿易面でも関係を強化することで一致した。トランプ氏は環太平洋連携協定(TPP)などの多国間交渉から、米国に有利な条件を引き出しやすい二国間貿易に軸足を移す方針。今後は日本に加え、米国に対する貿易黒字が多い中国やドイツなどにも交渉入りを迫る可能性がある。

 米英両国は戦後、貿易の自由化を推進。一九八〇年代以降はヒト、モノ、資本の流れに国境をなくす「新自由主義」の旗振り役だった。ところが今やトランプ氏は「自由貿易で工場を海外に奪われて米国人が職を失った」と主張し、英国はEUからの離脱を決断。ともに「自国第一」を掲げる国になった。

 メイ氏にとって米国とのFTAはEU離脱後の貿易再構築をアピールできる格好の材料。ただ約七倍の経済規模を持つ米国との二国間交渉には、英メディアから警戒の声が上がる。

 対米黒字額は少ない英国だが、最大の懸念材料は米国より厳しい食や環境関連の安全基準、健康保険制度といった非関税分野で譲歩を強いられること。しかも米国では通商問題に関しては議会が大きな権限を持つため、首脳同士の信頼感も通用しにくい。「手早く交渉をまとめるなら、米側の要求を丸のみするしかない」(英BBC放送)との見方も出ている。

 一方、トランプ氏は英国以外の国にも二国間交渉入りを促したい考え。ただトランプ氏の姿勢は「超大国パワーを利用し相手国に高関税を課すなど、保護主義に立ち返る」(米貿易関係者)との懸念を生んでいる。米外交問題評議会のエドワード・アルデン上級研究員は「トランプ氏は対米貿易黒字を抱える国への不満を表明しており、日本は米国との二国間交渉で困難に見舞われる。八〇年代の貿易摩擦を思い起こすことになる」と指摘した。 (ニューヨーク・東條仁史、ロンドン・阿部伸哉)

 

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