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【経済】

マイナス金利1年「緩和効果薄れ、財政支出必要」 首相ブレーンの浜田氏

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 日銀が大規模金融緩和の一環でマイナス金利の導入を決めてから、二十九日で一年となった。安倍晋三首相のブレーンとして大胆な金融政策の実行を提言してきた米エール大の浜田宏一名誉教授(81)は本紙のインタビューで「金融緩和が徐々に効かなくなってきた」との見解を示した。昨年の消費者物価指数が四年ぶりのマイナスに落ち込むなど、物価や景気が停滞する状況には「財政支出の助けが必要」と述べ、金融中心だった政策を修正する必要性を認めた。 (聞き手・渥美龍太)

 −これまでの金融緩和策をどう評価しますか。

 アベノミクスの前半は円安効果が明確で企業収益が改善し、放った矢がすべての的に当たるような状況だった。ただ、最近は少しずつ減速をしており、どうやら金融だけでは経済政策が一本立ちできなくなった。

 −金融緩和は失敗だったということですか。

 違う。ずっと良い薬が効いていたが、同じ処方を続けたのでは効かなくなると、医者が認めたということだ。初めからそんな薬はいらないと言う人もいるが、そんなことはない。

 −なぜ効かなくなったのですか。

 二〇一五年に入ってから為替相場が円安方向に動かなくなってきたことが、最も問題だと思う。マイナス金利も為替には効かず、私も悲観的になった。トランプ米大統領の当選後に円安方向に向かって霧が晴れかかったが、先行きは分からない。政府の財政による助けが必要な状況になった。

◆「国の借金増、問題ない」

 −物価上昇率は四年ぶりのマイナス。日銀のデフレ脱却に向けた目標の2%には遠い状況です。

 それは生鮮食品の影響のみを除いた数値だ。本来なら原油安などエネルギーの影響も除いた値でないと物価の基調は分からない。それに雇用など好調な実体経済の数値が重要であって、物価にこだわる必要はない。

 −今後は財政の拡大(財政支出)が必要とのことですが、日本の財政は世界一の赤字を抱えています。可能ですか。

 財政を均衡させる考えにとらわれすぎだ。政府が潤っても国民が貧しいなら、どうしようもない。景気を押し上げる必要がある時に政府が借金をして財政出動をする。これからは将来増税をしてすぐ回収することはないと人々に思わせる。そうすれば人々もお金を使い、マイルドなインフレが起きる。

 −政府が当面借金を返す気がないと、国民に思わせても本当に良いのですか。

 構わない。経済が成長していれば財政赤字が増えることは問題ではない。金融緩和をしながら、(二〇一四年四月に)消費税を増税したのは誤りだった。

 −歯止めのないインフレになってしまうのでは。

 長年デフレが続いている。そのような心配をする必要はない。

 −そこまで財政をふかす必要があるのでしょうか。

 デフレの停滞した時代に戻っていいのか。国民はそうは思わないと思う。

 

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