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【経済】

トヨタ、営業利益を上方修正 17年3月期予想

記者会見するトヨタ自動車の大竹哲也常務役員=6日午後、東京都文京区で

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◆スズキと業務提携へ

 トヨタ自動車が六日発表した二〇一七年三月期連結業績予想は、トランプ米大統領当選後の円安を受けて、営業利益を千五百億円増の一兆八千五百億円に上方修正した。前期実績の二兆八千五百三十九億円と比べると35・2%の減少で、半年前に予想していた43・9%減よりも減少幅が縮まった。

 売上高は従来より五千億円増の二十六兆五千億円に修正。年間の為替レートを一ドル=一〇三円と想定した昨年十一月から、新大統領の規制緩和による米国の景気回復に期待したドル高円安の流れを受け、四円円安に変更。その結果、営業利益で二千五百五十億円の押し上げ効果を見込む。

 トヨタ単体の販売台数の見通しを、従来の八百八十五万台から八百九十万台に上方修正。日本や欧州で新しい小型のスポーツタイプ多目的車(SUV)「C−HR」の受注が好調なほか、北米で利益率の高いSUV「ハイランダー」やピックアップ(荷台付き)トラック「タコマ」が台数を伸ばしている。

 一六年四〜十二月期連結決算は、売上高が前年同期比6・0%減の二十兆一千五百四十七億円、営業利益は32・5%減の一兆五千五百五十四億円だった。

 また、トヨタとスズキは六日、業務提携を検討することで基本合意し、覚書を結んだと発表した。近く両社の役員が参加する委員会を立ち上げ、自動運転技術などの安全や、IT、環境技術といった分野で具体策の協議に入る。

 資本提携に踏み込むかどうかは今後の検討課題となる。

◆為替乱高下 業績を左右

 トヨタ自動車が二〇一七年三月期の連結業績予想を修正したのは今期に入って三回目だ。英国の欧州連合(EU)離脱による急激な円高で下方修正をした後、地道な原価改善の積み重ねと為替の変動で二回、上方修正した。トランプ米大統領がドル高是正を叫ぶ中、先行きは見通せず、業績が為替に左右される状況は続きそうだ。

 今期の為替レートを見ると、一六年四月に平均で一ドル=約一〇九円でスタートし、中国景気の先行き不安や英国のEU離脱問題を受けて、九月には一ドル=約一〇一円の急激な円高に。その後、トランプ新政権の誕生で年末には一ドル=約一一六円と大きく円安に振れた。さらに、トランプ大統領が「日本は円安誘導している」と批判したことを受けて、再び円高方向に動いている。

 トヨタは対ドルで一円円高になると、営業利益が四百億円目減りする。四半期決算のたびに大きく変わる為替相場を受け、業績予想の修正を余儀なくされている。早川茂専務役員は六日の決算会見で「グローバルな製造業としては安定的に推移することが望ましい」と語り、年間を通じて不安定な為替への危機感をにじませた。

 トランプ新政権の政策について、大竹哲也常務役員は「現時点で影響を見通すことは非常に難しい」と話す。今後の為替や米国の政策による影響を最小化するには、生産や研究開発の効率化による改善効果を積み上げて体質強化を進めるしかなく、大竹常務は「残り二カ月で挽回したい」と語った。 (石井宏樹)

 

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