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【経済】

年金積立金を米インフラ投資に? 政権が運用関与、疑惑再燃

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 十日の日米首脳会談で話し合われる経済協力策の一環として、公的年金の積立金を米国のインフラ投資に使う案が取り沙汰され、国会で議論になっている。安倍晋三首相は否定しているが安倍政権は積立金の運用の仕方に事実上関与してきた経緯があるだけに、疑惑が再燃している。 (渥美龍太)

 「国民の年金をトランプ大統領へのお土産にするのか」。今月初めに一部報道機関が年金投入策を伝えて以降、国会で民進党など野党が追及し、安倍首相は「全く検討していない」と反論している。

 理屈の上では、各国の橋や鉄道など海外インフラに年金資金を投資することが可能。年金保険料は独立行政法人のGPIFが運用し、百四十兆円の資産を国債や株式に投資している。海外インフラについても、投資信託の発行する証券を購入する形で、間接的にお金を出せる。インフラ関連投資の上限は資産の5%に当たる約七兆円。実際には投資額は一千億円未満にとどまっており、拡大余地はある。

 ただし投資判断はあくまでもGPIFと投信運用会社で行うルールだ。政府が指示すれば大きな問題になる。政治家や政府の意向で、投資先を選べるなら、腐敗や焦げ付きを招くリスクが高いためだ。安倍首相は「私はGPIFに指示できない」と繰り返し語った。

 だが、野党は追及をやめない。安倍政権は有識者会議を組織し、GPIFの株投資の拡大を提言。これを受けGPIFは二〇一四年に株の比率を50%に倍増した「前科」があるからだ。

 いまのところ、会談で首相が年金によるインフラ活用に触れる可能性は薄そう。だが、政界関係者には同項目が盛り込まれたペーパーが出回った。

 日本総研の西沢和彦氏は「仮に政府が米国との経済協力目的で積立金の活用を検討したならば、年金加入者のための運用という目的を逸脱した行為」と指摘する。GPIFの高橋則広理事長は国会で「結果として米国のインフラに向かうことはあり得る」としており、政府関与を巡る疑惑は今後もくすぶり続けそうだ。

 

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