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【経済】

輸出好調でGDP年1.0%増 海外依存でもろさも

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 内閣府が十三日発表した二〇一六年十〜十二月期の実質国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は四・四半期連続のプラス成長となった。成長を主導したのは輸出の増加。だが持続的な成長の前には、日本と中国に対する貿易赤字を問題視するトランプ米大統領の政策や、欧州で台頭が懸念される保護主義勢力などが立ちはだかる。 (桐山純平、白山泉)

 十〜十二月期のGDPは前期比0・2%増で、この成長が一年続くと想定した年率換算では1・0%増となった。野菜の高騰や暖冬による衣料品の販売不振で0・01%減に転じた個人消費の落ち込みを2・6%増の輸出の伸びが補った。中でも米国や中国向け自動車輸出が好調だった。

 だが、海外経済に依存した成長が続くかどうかは見通せない。対日貿易赤字の削減を求めるトランプ米大統領の政策が不明確なためだ。

 日米間の経済問題は、新たに設置される経済対話の枠組みで具体的に議論されるが、日本の自動車業界を標的とした貿易摩擦の懸念がなくなったわけではない。国際金融情報センター理事長の加藤隆俊氏は「トランプ大統領が今後もツイッターを使って(日本が円安に誘導する)為替の問題について何度も不規則な発言をしてくる可能性は依然残る」とも指摘した。

 日本とともにトランプ氏に為替政策で批判された中国と米国の関係も、日本にとって気掛かりだ。日本から中国に輸出される電子部品は、日本のプラス成長の一因になったが、中国はその部品で組み立てたスマートフォンなどを米国に多く輸出している。

 このため今後、米国が中国製品の輸入関税を上げると、中国製品の米国での価格が値上がりして売れ行きが鈍り、製品に使われている日本の電子部品の中国への輸出も減りかねない。

 さらに移民への反発が強まる欧州も日本経済にとって不安材料だ。五月にかけて行われるフランス大統領選では「欧州連合(EU)離脱を問う国民投票の実施」を公約に掲げるルペン氏が有力候補の一人。国政選挙が控えるオランダ(三月)とドイツ(九月)でも保護主義の動きが強まれば世界経済は不安定になる。

 みずほ証券の末広徹氏は「世界経済の先行きが見えにくい状況では企業は設備投資に踏み切りにくく、賃上げもしにくい」と話し、輸出頼みの景気回復のもろさを指摘した。

 

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