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【経済】

日本も格差拡大 欧米型の報酬導入も要因

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 日本でも世帯・個人間で保有資産や収入の格差が広がってきた。株価上昇が最大の要因だが、欧米のように業績に連動して役員らの報酬を決める企業が増加。一部の企業で役員報酬が急増したことも一因になっている。 (池井戸聡)

 東京商工リサーチによると、一億円以上を得た上場企業の役員報酬開示が始まった二〇一〇年の段階で、対象だった二百八十九人(三月期決算企業)の報酬総額は四百八十億円。このうち業績にほぼ連動する「賞与」は五十五億円だった。

 これが一六年には報酬総額が八百四十三億円(四百十四人)に増加。賞与は三・五倍の百九十六億円に膨らんだ。同社の担当者は「報酬が高い外国人の役員を採用する企業が増え、これに引っ張られる形で全体も上がった」と分析する。

 国税庁によると、一五年の給与所得者の平均年収は四百二十万円(正規四百八十四万円、非正規百七十万円)で、一〇年比の上昇率は2%。収入層別では平均年収近辺の人数は横ばいだったが、高収入の人、百万円以下の人は増えた。

 こうした「二極化」の要因について、第一生命経済研究所の熊野英生氏は「欧米のように複数の企業で社外取締役を兼ね高収入を得る人も増えた。一方で厚生年金の支給開始年齢の引き上げもあり、定年後も働く高齢者が増え、百万円以下の年収の人も増加した」と分析。その上で「平均年収を超える人には一定の賃上げがあったが、それ以下の人に賃上げの恩恵が及んでいない」と指摘した。

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 米国では近年、格差拡大の加速が指摘されている。米連邦準備制度理事会(FRB)の二〇一四年の調査によると、米国では一三年、上位3%の富裕層が全体の54・4%の資産を保有。一九八九年は44・8%、〇七年は51・8%で「富の集中率」は上昇している。

 格差拡大の傾向に歯止めをかける方策には「平均層」以下の賃上げが求められるが、野村総合研究所の宮本弘之氏は「夫婦がともにフルタイムで働けるようになれば世帯収入は増える」と分析。保育所の整備など子育て環境の充実の必要性を強調した。

 同時に宮本氏は「富裕層は多くのお金を教育にかけ、その子どもも高収入を得る傾向がある。教育を受ける機会の均等化を図る政策も重要」とも指摘した。

 

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