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【経済】

長時間是正 取り組む各社 収入減回避へ知恵絞る

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 春闘相場をけん引する自動車や電機大手の労働組合が要求書を提出し、労使交渉が本格化した。今回は基本給を引き上げるベースアップ(ベア)を四年連続で実現できるかが注目される一方、長時間労働をいかになくしていくかも焦点。すでに残業抑制などを導入した企業では、働く時間の短縮が収入減につながらないよう知恵を絞っている。 (中沢佳子、伊藤弘喜)

 政府は十四日の働き方改革実現会議の会合で、残業時間を年七百二十時間、月平均六十時間を上限とし、罰則も設ける案を提示。繁忙期にどこまで認めるかなど議論は残るが、長時間労働の是正は社会の流れだ。

 残業の抑制のほか、終業から次の勤務まで一定時間を空ける勤務間インターバル制度の導入に乗り出す企業も増えている=表。昨年から午後七時以降の残業を禁じた神戸製鋼所では、一六年上半期の残業時間が前年同期より三割減った。パナソニックは先月末、国内従業員十万人に、午後八時までの退社を促す社長通知を出した。

 ただ、残業抑制によって結果的に収入が減る恐れもある。

 そうした中、味の素は昨年の春闘で、給与は変えずに一日の所定労働時間を二十分短縮することで労使が合意。オリックスも今年四月から労働時間を二十分短縮する。社員には「子どもを延長保育に預けずに済む」「プロ野球の試合開始に間に合う」と好評という。労働時間を短くしても給与は据え置いていることから、両社とも「実質的なベア」と位置付ける。

 残業代と逆の発想の手当を出す企業もある。食品専門物流会社の「北王流通」(東京)は昨年から、時間内に業務を済ませるなどした個人やグループに、業務や改善内容に応じて三千〜五万円を支給する「効率改善手当」を導入した。担当者は「自分の時間を大事にしたい人もいれば、稼ぎたい人もいる。それぞれが働き方を選べるようにしなければ」と話す。

 紳士服大手のはるやまホールディングスも、月間残業がゼロの社員に月一万五千円を払う「ノー残業手当」を四月から始める。

 日本総研の山田久氏は「経営側は長時間労働の是正を人件費抑制の発想で考えてはいけない。企業の持続も考えて不採算事業を見直し、人員を柔軟に移すなどの工夫が必要だ」と指摘している。

 

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