東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

トランプ米政権1カ月 2国間交渉へ布石

写真

 【ニューヨーク=東條仁史】トランプ米大統領が就任して二十日で一カ月。環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を表明した後、貿易赤字を抱える日本、中国などを「不公平」と批判し、二国間交渉への布石を打ってきた。実際の交渉で相手国に譲歩を迫り、有利な条件を引き出す狙いだ。一方、ニューヨーク株式市場は大型減税や規制緩和を期待して上昇、次に投資家は具体策の提示を求めている。

 「多くの一対一の貿易交渉に臨む。米国の労働者に損害を与える海外の不正や通貨安政策には、断固たる措置を取る」。トランプ氏は十八日、フロリダ州の集会であらためて強調した。

 安い輸入品の流入を減らして、米国に工場を取り戻し雇用を増やすことがトランプ氏の最重要政策だ。通商分野の司令塔は、ホワイトハウスに新設した「国家通商会議」のピーター・ナバロ委員長と、商務長官に指名されたウィルバー・ロス氏。貿易の二国間交渉による輸出増などを唱えた両氏の論文は、トランプ氏の「指南書」といえる。

 米通商代表部(USTR)が貿易交渉を担当してきた体制を転換し、従来の枠組みにとらわれない側近重視の姿勢は鮮明だ。

 特に、ナバロ氏は最大の貿易赤字を抱える対中国の強硬論者。トランプ氏は貿易面で中国を目の敵にしており、中国が肥料などの原料に補助金を出して米国に安く輸出しているとして、制裁的な関税の適用を確定した。今後、米中摩擦の火種になる可能性もある。

 トランプ氏は就任後、自動車分野と為替で日本も名指しで批判した。先の首脳会談では封印したが、麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領による「経済対話」の新設で合意。日本側には、米国車の輸入増など保護主義的な強硬策の復活に警戒がくすぶっている。

 一方、ニューヨーク株式市場のダウ工業株三十種平均は、一月二十五日に初めて二万ドルの大台を突破。トランプ氏も自らの実績と訴える。ただ、主要閣僚の承認の遅れで減税やインフラ整備などの具体策は示せていない。大型減税を巡っては議会とスティーブン・ムニューシン財務長官の調整も始まっており、難航すれば「失望売りが膨らむ」(市場関係者)と警戒する声も上がる。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報