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【経済】

ネット通販が宅配現場を圧迫 ヤマト労組「荷受け抑制を」

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 ヤマト運輸の労働組合が二〇一七年春闘の労使交渉で宅配便の荷受量の抑制を求めたことが二十三日、分かった。インターネット通販の利用が広がり宅配便が増える一方、運ぶドライバーが足りず長時間労働が慢性化していることが背景にある。 (伊藤弘喜)

 国土交通省によると、宅配便の取扱数は統計を取り始めた一九八四(昭和五十九)年度以来、右肩上がりの傾向が続いている。楽天が九七年に通販サイト「楽天市場」を開設し、米大手アマゾンが〇〇年に日本でサービスを開始するなど、近年はネット通販が宅配便の数を押し上げている。

 ネット通販は中高年にも浸透しつつある。高齢者や共働き家庭が増えるとともに宅配ニーズは増し、即日の配達など速さの競争も激化している。

 しかし、宅配便を運ぶトラック運転手の数は〇三年以降ほぼ横ばいだ。このため長時間労働が深刻化しており国交省のまとめによるとトラック業界の労働時間は全産業平均に比べ月四十時間(一三年)も長い。にもかかわらず月平均の所得は賞与を含めても中小型トラック運転手で三十一万円と全産業比で二割も低い。若者は敬遠し、ドライバーの高齢化が進んでいる。

 宅配便の約二割で届け先が留守などのため再配達を要していることも課題だ。ドライバー全体の約一割に当たる年間九万人分の労働力が再配達に費やされている。

 ヤマトで、労組が荷受量の抑制を要求したのは、こうした現場の負担増に歯止めをかける狙いがある。会社側が要求に応じれば、アマゾンなど大口顧客に対し、値上げなどを求めることも考えられる。結果的にネット通販の利用料が上がり、利用者負担が増えることもありえる。

 ネットの普及とともに拡大してきた通販だが、人手不足の壁の顕在化で、伸びは鈍る可能性もある。

 <ヤマト運輸> 1919年に東京で創業。「宅急便」で知られる宅配便事業を全国で展開する。2005年に持ち株会社制に移行した。宅配便の取り扱い個数で最大手。15年度のシェアは46・7%。国内だけでなく海外でも事業を広げている。社員数は16年3月15日現在で15万7863人。集配拠点は全国に約4000カ所ある。

 

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