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【経済】

プレミアムフライデー始まる 働き方改革の試金石

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 月末の金曜日に余暇を過ごせるよう仕事を早めに切り上げる取り組み「プレミアムフライデー」が二十四日、始まった。働き方改革と消費の拡大を狙って政府と経団連が連携したが、その受け止めは業種や雇用形態によってさまざまだ。政府などが描いた日本経済の活性化は、取り組みがどこまで広がり、定着するかにかかる。 (白山泉)

 二十四日午後、経団連の榊原定征(さだゆき)会長が恵美子夫人と東京の日本橋三越本店を訪れた。紳士服売り場で金と赤のネクタイを購入した榊原氏は「(妻と)一緒に買い物する機会はない。プレミアムフライデーのおかげ」と、報道陣に笑みを見せた。その後、東京駅前で職員に早期退庁を促した世耕弘成経済産業相らとイベントに出席し、新たな取り組みをPRした。

 民間では午後三時以降の商談・社内会議を原則禁止して退社を促すなど働き方改革を実践する企業も出ている。取り組みは三月以降も続け、年内に十回程度、行う予定だ。

 プレミアムフライデーが浮上したのは昨年二月。個人消費の不振で国内総生産(GDP)がマイナス成長となった直後の経済財政諮問会議だった。消費のてこ入れ策として民間議員が提案した。

 だが、消費者の財布に大きな余裕はない。税金や保険料を除き個人が自由に使える可処分所得は、社会保険料の上昇と比較し賃金があまり伸びていないため、落ち込んだままだ。総務省の家計調査によると二〇一六年の月平均の可処分所得は勤労者世帯で約三十七万七千円。十年前より約二万四千円少ない。プレミアムフライデーの過ごし方について、博報堂行動デザイン研究所の調査では、約三割が「自宅で過ごす」と答えるなどインドア志向も根強い。

 時給で働く非正規労働者にとって、早期退社は収入減につながる。アサヒグループホールディングスの調査では、働く時間を切り上げた分の時給の「補償がないなら反対」という意見もあった。小売業やサービス業はプレミアムフライデーで逆に忙しくなり、経理など月末に仕事量が増える職種は別の日の残業の増加を心配する声もある。

 ニッセイ基礎研究所の久我尚子氏は狙い通りに定着するためには小売業で翌週の月曜に早帰りを推奨するなど「さまざまな企業や地域が導入しやすい取り組みに広げていく必要がある」と話している。

 

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