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【経済】

日航破綻乗り越え空へ 余儀なく地上勤務 パイロット候補生100人

コックピットで初フライトの準備をする副操縦士の先崎辰彦さん=27日午前、羽田空港で

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 二〇一〇年一月に経営破綻した日航で、パイロット候補生として入社したのに、訓練を受けないまま地上勤務を余儀なくされた約百人が、再開された訓練を終え次第、国内線の副操縦士として順次デビューすることになった。初日の二十七日、第一号となった先崎辰彦さん(34)は羽田発徳島便に乗務した。

 破綻がパイロット養成に与えた影響はこれで解消。公的支援を受け再生したことによる制約も四月からなくなる日航は、新時代を迎えつつある。

 先崎さんは〇八年四月に入社し、破綻後はパイロットの後方支援をしていた。乗務前の打ち合わせでは、天気図や航路を機長と一緒に確認。「やっとここまで来たという感じ。いつも通り臨みたいが、ちょっと緊張しています」と話して乗り込んだ。

 近く初乗務する副操縦士も意気込む。航空券や旅行商品を販売する子会社「ジャルセールス」で勤務していた鈴木洋平さん(31)は「応援してくれた人たちへの感謝を胸に、安全で快適なフライトのために全力を尽くす」と話した。

 日航は経営破綻後、路線が縮小されたことに伴い、過剰なパイロットを抱えないよう、採用や訓練を中止。既に入社していた候補生のうち、一部は他社でパイロットを目指すために退職したが、残った人たちは、マイレージの担当部署や、地方支店の総務といった職場に配属され、操縦とは全く違う地上での仕事を担当することになった。

 経営再建に向かう中、養成訓練は一二年十月に再開、一五年四月からは採用も始まった。日航によると、中止の影響を受けた候補生のうち、訓練が最も遅れていた約百人が乗務に就くことになった。

 操縦するのは、主に近距離の国内線を飛んでいるボーイング737(最大百六十五席)。中・長距離の路線を飛ぶ777(最大五百席)や787(最大百九十五席)などよりも乗務回数が多く、離着陸の経験を増やせることを考慮したという。

 日航は一四年四月から新たな副操縦士の養成方式を導入。以前は一人で操縦する小型機で長期間の訓練が必要だったが、新方式ではシミュレーターを活用することで機長と二人態勢の操縦訓練に特化し、期間を半年以上短縮できるようになった。今回デビューの副操縦士に初適用した。

<日航の経営再建> 日航は2010年1月19日に会社更生法の適用を申請、同2月20日に上場廃止となった。京セラ名誉会長の稲盛和夫氏が会長に就任。企業再生支援機構が3500億円の公的資金を出資した。日航は約1万6000人の人員削減、不採算路線からの撤退などの徹底した合理化を実施した結果、業績が急回復し、再上場した。国土交通省は、公的支援や債権放棄を受けた日航が競争相手を圧迫しないよう、17年3月末までの5年間は新規路線の開設や投資に制約を課した。

 

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