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【経済】

東アジア経済連携交渉が開幕 中国意欲、日本は慎重

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 日本や中国、東南アジア諸国連合(ASEAN)など十六カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の事務レベル交渉会合が二十七日、神戸市で五日間の日程で始まった。環太平洋連携協定(TPP)が米国離脱で発効が見通せない中、アジアの経済統合の枠組みとして存在感が増している。しかし、参加国の思惑は交錯しており、難航も予想される。 (矢野修平)

 「世界経済は難しい局面にある。相互に利益をもたらす協定にしたい」。会合冒頭、議長国のインドネシアのイマン首席交渉官は呼び掛けた。アジア各国は主要な輸出先である米国のトランプ大統領が保護主義に傾いていることに危機感を強めている。

 RCEPは二〇一三年に交渉を開始。十五の交渉分野のうち、これまで合意できたのは「経済技術協力」と「中小企業」の二分野だけ。十七回目の神戸会合では約七百人の交渉官が集まり作業部会で協議を深める予定だが、各国の温度差は残る。

 日本の首席交渉官を務める外務省経済局の飯田圭哉審議官は、「今回の交渉は自由貿易への関わりを確認するよい機会だ」と述べた。ただ、日本は依然、TPP発効に望みを捨てておらず、米国の通商政策の行方を慎重に見定めている段階だ。RCEPについては模造品を防ぐ知的財産保護や、投資先での不当な国家介入を防ぐルールづくりを重視、「質の高いルールを譲る理由はなく、妥結は急がない」(外交筋)という姿勢だ。

 一方、中国は、高虎城商務相(当時)が先月二十一の記者会見で「建設的かつ積極的な役割を果たしたい」と話し、交渉主導に意欲満々。TPP頓挫で米国の存在感が弱まるのを機に、アジアでの貿易や投資のルールを自国に有利な形で固めてしまう算段だ。

 ただ、中国では、経済成長が鈍化する中、国有企業の整理再編など構造改革も進めており、日本の外務省幹部は「中国も市場を開く方向に向いており、高い水準のルールに対応する余地はある」と指摘する。

 日本は今後、自由貿易に積極的な豪州やニュージーランド、韓国と協力、投資ルールの整備で海外から資本を呼び込みたいASEAN加盟国も取り込み、自由化の水準を高めた妥協点を探る構えだ。

 

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