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【経済】

トランプ氏議会演説 保護主義堅持なお懸念 対日要求、来月以降か

 トランプ米大統領が米議会で行った施政方針演説では、日本を名指しの批判はなく、政府の通商担当者からは「落ち着いた内容だった」と安心する声があった。ただ、自国の雇用を優先する保護主義的な姿勢は変わらず、自動車などの貿易の不均衡是正を迫られる懸念はくすぶっている。 (矢野修平)

 トランプ氏は演説で、官民から資金調達する一兆ドル(約百十三兆円)規模のインフラ投資や中間層への減税などの経済政策を打ち出した。重視する雇用の創出については、ソフトバンクグループを例に挙げて「私の当選後、多くの企業が米国で数十億ドルの投資により、数万人もの新規雇用を作ると公表した」と成果をアピールした。

 通商分野ではメキシコ、カナダとの間で関税をなくした北米自由貿易協定(NAFTA)を「製造業の雇用の四分の一以上が失われた」と非難。中国に対しては「中国が世界貿易機関(WTO)に加盟してから、(中国からの輸出が増え)米国は六万の工場を失った」と述べた。

 ただ、今後の通商政策の進め方について具体的な言及はなく、内閣官房幹部は「選挙時と比べ、かなりトーンダウンしてきた」と感想を語った。

 だが、みずほ総合研究所欧米調査部長の安井明彦氏は、「具体性がなかったのは、政権スタッフが整っていないから」と指摘。「トランプ氏の主張に変化はなく、厳しい要求を迫られる警戒は解くべきではない」とみる。

 主要閣僚の議会承認は進んでおらず、日米経済関係のキーパーソンになるとみられるウィルバー・ロス氏は貿易政策を担当する商務長官の議会承認を受けたばかり。同じく通商政策を担う米通商代表部(USTR)代表に指名されているライトハイザー氏も、まだ承認されてない。

 日米両政府は通商問題について、麻生太郎副総理とペンス副大統領による「経済対話」の中で協議することで合意しており、四月にも議論に入る見込みだ。その場で米側が円安批判や米国への民間企業投資の上積み、市場開放などを要求してくる可能性は残っている。

 

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