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【経済】

災害対策でディーゼル車に脚光 燃料不足に陥る被災地で強み

ガソリンスタンドで軽油を給油される緊急血液供給車=東京都江東区で

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 東日本大震災の後、ガソリンの給油待ちで長蛇の列ができたことを教訓に、軽油で走るディーゼル車を災害対策に活用しようという動きが出ている。ガソリンと比べて、軽油は運搬や貯蔵が容易で、燃料不足に陥る災害時に入手しやすいためだ。学識者からは、官公庁や医療関係など被災地で活動する機関にディーゼル車の保有を求める声も出ている。 (妹尾聡太)

 「災害時もきちんと血液製剤を届けるには、燃料の種類に幅がある方がいい」。日赤の委託で主に東京都内の医療機関に輸血用血液製剤を運ぶ「献血供給事業団」の堀真樹(まさき)・総務課係長は、ガソリン車とディーゼル車をバランス良く活用することを意識している。昨年から新たにディーゼル車を三台導入し、運搬車両七十四台のうち五台がディーゼル車になった。

 事業団の出動は年間約五万七千回。被災時は特にスムーズな供給が求められる。二〇一一年三月の東日本大震災直後、都内でもガソリンを求める行列ができた。当時、事業団の車両には優先的に給油してもらえたが、堀さんは「東京が被災の中心になればどうなるか分からない」と話す。

 軽油の利点は扱いやすさだ。ガソリンがマイナス四〇度でも引火するのに対し、軽油の引火点はプラス四五度以上。どちらも危険物であり厳重な管理が必要だが、法令や市町村の指示に従えば軽油は専門資格がなくても一度に千リットルまで運ぶことができる。ガソリンは二百リットルが上限だ。

 石油製品の流通に詳しい東洋大の小嶌正稔(こじままさとし)教授は「補充用の軽油を積んで被災地に入れば、現地の給油施設を使わなくても活動を続けられる。官公庁や病院、企業などはディーゼル車も保有するべきだ」と指摘している。

<ディーゼル車> 排ガスに含まれる窒素酸化物や粒子状物質の有害性が指摘されてきたが、有害物質の低減技術が向上し、電気自動車(EV)と並ぶエコカー減税対象車も登場するようになった。国内の保有比率はバスやトラックも含めると約8%。欧州では新車の約5割を占める。

 

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