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【経済】

WH 米破産法申請で調整 東芝、追加融資要請を検討

 経営再建中の東芝が、米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)に米連邦破産法一一条の適用を申請させる方向で調整に入ったことが九日、分かった。日本の民事再生法に相当する制度を活用し、建設工事の遅れで今後発生する損失を抑える狙いだ。近く最終判断する。

 WHの事業には米国政府が八十三億ドル(約九千五百億円)の債務保証をしている。破産法が適用された場合、米国民の負担が発生して外交問題に発展する恐れがあり、米政府の理解を得られるか流動的な側面もある。

 東芝もWHの事業に債務保証をしており、破産法適用が認められたとしても、今後も原発の建設費用などで応分の負担を迫られる。このため東芝は、取引銀行団に数千億円規模の追加融資を要請する検討に入った。

 一方、WHの内部管理を巡る不正疑惑で公表を延期した東芝の二〇一六年四〜十二月期決算の手続きが難航していることも判明した。再延期となれば上場の維持が難しくなるとの見方も出ている。

 この二年で東芝がWH関連で計上する損失額は一兆円規模に上る。WHが米国で進める原発建設は工事の遅れが常態化している。来年度以降も巨額の損失が発生すると東芝の経営が立ち行かなくなる危険があり、経営陣は破産法の活用に傾いたもようだ。社内には「(適用申請には)数カ月かからない」(幹部)との声もある。

 米政府の債務保証の対象は、WHがジョージア州で建設しているボーグル原発二基。発注元の電力会社などに、一二年に融資保証枠を設けている。世耕弘成経済産業相が来週に訪米し、エネルギー担当の高官との会談などが想定されており、WH問題も議論される可能性もある。

 東芝は半導体事業を分社し、新会社の全株式を売ることも視野に入札手続きを進めているが、売却完了は一七年度後半となる見通し。それまでに原発建設の費用が膨らんで手元資金が不足する恐れがあり、銀行借り入れで乗り切りたい考えだ。

 関係者によると、東芝の決算手続きが難航しているのは、WHのダニー・ロデリック会長らが巨額損失を減らすよう部下に圧力をかけたパワーハラスメントの疑いが浮上し、米国の監査法人が決算に悪影響を及ぼした可能性を疑っているためだ。期限の三月十四日に決算を発表できるかについて東芝関係者は「五分五分」「確実に発表できるとは言い切れない」などと指摘している。

 

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