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【経済】

<原発からの請求書>(9) 消費者負担は情報不足深刻 今後も上乗せの恐れ

 Q 原発のための消費者の負担合計は結局いくら?

 A 原発は建設費や燃料など直接の発電費以外にたくさんの周辺費用がかかります。六年前の福島第一原発事故で被災者への賠償費なども上乗せされ、電気代は高くなる一方。原発のある自治体に配る電源開発促進税もかかります。

 月二百六十キロワット時使う家庭の年間上乗せの合計は四千四百四十三円。年間電気代(概算七万五千円)の5%強に相当します。

 Q わが家の負担は?

 A それが簡単に分からないのが大問題なのです。原発費用は電気料金本体や電線使用料などに紛れ込み検針票にきちんと明記されていません。本連載では各費用の計算方法を究明して掲載してきました。しかし、各家庭の負担は、消費者が電力会社のウェブサイトなどで必要なデータを補いながら、自力で計算するしかないのです。太陽光など再生エネルギーの費用が「再エネ発電賦課金」として金額まで明記されているのと大きな違いです。

 Q 知らない間に負担が増えても分からない。

 A しかも、候補地すら未定の使用済み燃料の最終処分地や核燃料サイクルはどのくらい負担が膨らむか分かりません。八兆円超とされる福島原発廃炉費、四兆円の除染費も将来上乗せされる心配があります。

 Q 情報隠しは六年前も問題になりましたね。

 A 福島の原発事故時、政府は放射性物質の拡散予測データを公表せず、混乱は増幅しました。

 本紙集計では廃炉や燃料処理など原発処理費だけで四十兆円。政府は原発の発電コストは安いとしていますが、消費者に情報公開し、選ぶ材料を提供する責任があります。表面を繕って無理な事業を続けるなら将来、原発事業自体が行き詰まり、子どもたちにまで負の遺産処理のための巨額の「請求書」をツケ回しすることになりかねません。

 (吉田通夫、桐山純平、池尾伸一)

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