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【経済】

米、3カ月ぶり利上げ 計3回、金利1%台回復

15日、会見するFRBのイエレン議長=ロイター・共同

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 【ワシントン=石川智規】米国の中央銀行に当たる米連邦準備制度理事会(FRB)は十五日開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を0・25%引き上げ、「年0・75〜1%」とする利上げを決定した。利上げは昨年十二月以来、三カ月ぶり。堅調な雇用情勢などを背景に、短期間での再利上げに踏み切った。米国の金融政策は今後、利上げペースが緩やかに加速する新たな局面に入った。

 FRBは二〇〇八年十二月、同年秋の金融危機、リーマン・ショックを受け、FF金利を0%に誘導する「ゼロ金利政策」を導入。一五年十二月まで続行した。以後、今回を含めて計三回の利上げにより、政策金利は約八年ぶりに1%台を回復する。

 FOMC後に公表した声明文では、利上げの理由について「雇用は堅調で、失業率も低く安定している」ことに加え、「物価上昇率(インフレ)が目標の2%に近づいている」ことを挙げた。

 米国の経済は「引き続き緩やかに拡大している」とし、前回二月の景気認識を維持。今後の景気に対するリスクも「おおむね安定している」とし、今後も緩やかな利上げを行う姿勢を示した。

 投票権のある委員十人のうち、イエレン議長を含む九人が賛成、一人が金利据え置きを主張して反対した。同時発表した今年の利上げ想定回数は、今回を含めて「年三回」で、従来の見通しから変わらなかった。一部には利上げペースを早めるとの予想も出ていた。

◆「トランプ景気」過熱抑制

 FRBが再利上げを決めた背景には、トランプ政権の減税政策などを期待して上昇を続ける株式相場の沈静化を図る狙いがある。異例の超低金利政策を続ける日欧の中央銀行とは対照的に、FRBは景気情勢に応じて金利を上下させる「平常モード」の金融政策にまた一歩近づいた。

 利上げは一般的に、経済や景気の過熱を抑える効果を持つ。

 米国の株式指標であるダウ工業株平均は三月初旬、初めて二万一千ドルを突破。二月の雇用統計も就業者数の伸びが二十三万人強を記録し、FRBが「適正」とみる「月七万〜十二万人」の水準を大きく超えていた。

 好調な経済情勢を受け、昨年は一回だけだった利上げペースは加速しつつある。だが、FRBが今後も順調に利上げを進められるかは見通しづらい。トランプ政権が掲げる大規模な減税と大型公共投資は、依然として具体策が示されない。政策が不発となり景気が下降すれば、利下げが必要な局面を招きかねない。 (ワシントン・石川智規)

 

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