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【経済】

東芝に公的資金投入案 半導体技術の流出防ぐ

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 経営再建中の東芝が稼ぎ頭の半導体事業を分社化して四月に設立する新会社「東芝メモリ」に、政府系の日本政策投資銀行や産業革新機構が出資する案が浮上していることが十七日分かった。情報技術(IT)の基盤を担う半導体技術の国外流出を防ぐことを狙うが、実効性を疑問視する声も出ている。 (伊藤弘喜)

 政投銀や機構は東芝メモリの売却に向けた入札に参加し、拒否権を持つ三分の一超の出資を目指す。東芝から東芝メモリに移る半導体フラッシュメモリー事業は、国際的に高い競争力があり、公的資金を通じて国内にとどめる価値があると判断したとみられる。

 綱川智社長は十四日、東芝メモリの売却先の条件として出資額や社員の雇用維持に加え「国の安全」を挙げ、「政治的に問題がある国は避けたい」と述べた。

 これまで三重県四日市市の主力工場に共同で投資する米ハードディスク大手ウエスタン・デジタル(WD)のほか、韓国の半導体大手SKハイニックス、シャープを傘下に収めた台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業、欧米系の投資ファンドなどが出資に意欲を示してきたが、日本勢は現れていない。

 東芝幹部は「中国と関係が近い台湾勢は避けたい。なるべく日本に残したい」と明かす。世耕弘成経済産業相も「フラッシュメモリーは我が国が今後も保持していかなければいけない重要な技術だ」と述べる。

 ただ、米原発子会社の処理で多額の損失を抱える東芝は東芝メモリを一兆円超で売り、損失を埋め合わせて債務超過から脱したい考え。政府系金融機関だけでは足りず、民間企業から多額の出資を仰ぐことが必要だが、政府系の出資を通じた日本政府の介入が敬遠され、買い手探しが難航する懸念がある。

 不正会計問題などで自ら危機に陥った東芝を公的に支える意義も問われる。機構はシャープへの出資を巡って鴻海と争奪戦を繰り広げたが、当時はシャープを軸にした国内の液晶パネルや白物家電の事業再編という大義名分があった。

 ある投資ファンドの関係者は「半導体は公的資金を注入しなければならないほど国の安全を左右する技術なのかは疑問だ」と話す。

 

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