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【経済】

日曜営業で華やぐパリ 法律が週末を変えた

日曜日に開店し、人々でにぎわう高級百貨店「ギャラリー・ラファイエット」=パリで

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 海外旅行でパリを訪れたのに、日曜日に店が閉まっていて残念な思いをした人もいるのではないか。そんな「花の都」の週末の風景が様変わりしつつある。今年一月から日本人にも人気の高級百貨店が日曜営業をスタート。「相次いだテロで遠のいた客足を呼び戻す起爆剤になる」との期待が高まっている。 (パリ・渡辺泰之、写真も)

 ■観光客に朗報

 二月の日曜の昼下がり。パリ中心部オペラ地区にある高級百貨店「ギャラリー・ラファイエット」は、多くの買い物客でにぎわっていた。「パリに来て日曜も店が開いていると知って『平日に買い物を』と思っていたけど、予定を変更。時間を有効に使えてうれしい」。東京から卒業旅行でやって来たという女子大学生(22)は声を弾ませた。

 同店が日曜営業を始めたのは今年一月八日。人気地区での大型店の開店だけに観光客には朗報だった。同じ地区にある有名百貨店「プランタン」も近く日曜営業を始める見通しだ。

 これまでフランスでは日曜営業が制限されてきた。その根拠が一世紀以上も前の一九〇六年に定められた労働法。カトリック色が強いこの法律は日曜を「休息日」と定め、これが国民の働き方の基盤になった。

 日曜営業を可能にしたのは二〇一五年夏に施行された法律。政府の規制改革の一環で、観光客が多い国内計二十一の「国際観光地区」で営業ができるようになった。パリではオペラ地区やシャンゼリゼ地区など計十二カ所が指定された。

 ■評判も上々

 社会の慣習や伝統を変えてまで仏政府が改革に乗り出したのは、観光誘客を経済再生の起爆剤にするため。新たな雇用を生む効果もあり、一石二鳥というわけだ。

 フランスは年八千万人以上の外国人が訪れる世界最大の観光立国だが、仏メディアによると、近年は日曜に店が開くロンドンなど欧州の都市に週末の観光客を奪われるケースが目立ってきたという。日曜営業を可能にする法律が施行された当時のバルス前首相も「パリに来た中国人など、大勢の観光客が日曜にロンドンに買い物に行ってしまうのを見過ごせるのか」と率直に語っていた。

 法律制定後、各社が労使交渉に入り、難航する大型店も出たが、昨年末、最後まで交渉が長期化していたプランタンも合意に達し、主要店が出そろった。

 ギャラリー・ラファイエットでは日曜営業にあわせ、新たに五百人を雇用。全体で5〜10%の売り上げ増を見込み「客からの評判も上々」(広報)という。

 フランスの首都圏に当たるイルドフランス地域圏の観光地域委員会に勤めるフランソワ・ナバロさんは「ショッピングは旅行者には重要な要素。これでロンドンとの競争に負けず、週末もパリで過ごしてもらえる」と歓迎した。

 

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