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【経済】

日仏、原子力開発で協力 実現性や費用見通せず

 安倍晋三首相は二十日(日本時間二十一日未明)、パリでオランド仏大統領と会談し、原子力分野での協力を確認した。特に、使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」分野の研究開発に力を入れる。しかし実現の可能性も、日本の費用負担額も現時点ではみえていない。

 日本政府は昨年末、高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を決定したが、使用済み核燃料を大量に再利用できるとされる高速炉の開発は続ける方針を決定。国内に新たな高速炉を建設するため、仏政府が計画する高速炉「ASTRID(アストリッド)」の共同研究に加わる計画を示していた。

 しかしアストリッドは基本設計段階で、建設費も日本の負担額も不明。また仏でも、アストリッド以前の高速実証炉「スーパーフェニックス」はトラブルのため一九九八年に廃炉に追い込まれており、高速炉実現のめどは立っていない。

 また政府間の合意に合わせ、三菱重工業(東京)と日本原燃(青森)も同日、仏の原子力大手「アレバ」から分社する核燃料製造会社に、それぞれ二億五千万ユーロ(約三百億円)を出資する契約を交わした。出資比率は5%ずつ。世界的に高騰した原発コストのため経営危機に面しているアレバの再建を支援する。

 日本では、高速炉の前段階として、使用済み核燃料から再利用できる核物質を取り出す「再処理」技術も実現していない。仏ではこの段階までは実用化しているため、三菱重工と原燃はノウハウ吸収を目指す。しかし原発コストの高騰で原発離れが進んでおり、核燃料も再処理も需要は減る見込み。両社の出資が思惑通りの成果につながるかは見えていない。 (吉田通夫)

 

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