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【経済】

「てるみくらぶ」破産 代理人「弁済率は1%程度」

破産手続きの開始決定を受け、記者会見する山田千賀子社長=27日午前、東京・霞が関で

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 東京地裁は二十七日、旅行会社「てるみくらぶ」(東京)の破産手続きの開始を決定した。関連する旅行会社「自由自在」(東京)も二十七日に営業を停止した。代理人の弁護士は、利用者が払い込んだ旅行代金の扱いについて業界団体との協議に入るが、弁済率は1%程度になると説明しており、過去の事例と比べ極めて低い水準になりそうだ。

 代理人は、東京都内で開いた記者会見で「三万六千人の旅行契約者への負債額が計九十九億円に上る」と述べた。一方、てるみくらぶが破綻時の弁済に備え日本旅行業協会に積み立てている保証金を元に、カバーされる金額は最大で一億二千万円だという。

 代理人は「宿泊できない恐れがあり、今後の渡航は控えてほしい」と要請。利用者に対しては、ホームページなどで情報を提供していく方針を示した。弁済金を受け取るためには利用者が自分で手続きをする必要があり、入金までに半年程度の時間がかかりそうだ。

 観光庁は、クレジットカード決済の場合、引き落とし前であればカード会社の補償内容などによって支払いをしなくて済むことがあるので、カード会社に確認してほしいと呼び掛けている。

 観光庁によると、二〇〇八年度以降に日本旅行業協会の保証金を活用した事例は十七件あった。このうち十五件は100%弁済され、残る二件も約四割と約七割の代金がそれぞれ戻ってきたという。

 てるみくらぶについては、破産手続きが進み破産管財人が資産や負債を調査した結果、弁済額が増える可能性もある。ただ観光庁の担当者は「今の段階で弁済水準はかなり低い」と話している。

 営業を停止した自由自在に関して、てるみくらぶの代理人は「破産するかどうするかは未定だ」としている。

 問い合わせは日本旅行業協会事務局、電話03(3592)1252。

◆シニア層開拓 広告費増が裏目

 破産手続き開始が決まった「てるみくらぶ」とツアーの契約を結んだ人は三万六千人、契約者を通じて実際に申し込みをしていた人を合わせると旅行者は計約九万人に上る。受け取っていた約九十九億円の旅行代金の大半は返金されない可能性が高く、混乱の拡大は避けられない。

 多くの顧客を抱えての突然の破産。記者会見で山田千賀子社長は「ウチがこけると取引先はどうなるのかと恐怖があった。最後の最後まで頑張ろうとしたことが、かえって迷惑になってしまった」と述べ、謝罪した。

 負債総額は約百五十一億円に上る。調査会社の東京商工リサーチによると旅行業者の負債総額としては過去四番目の大きさだ。てるみくらぶは海外への格安ツアーをインターネットを中心に販売してきた。しかし近年は旅行会社を通さずに航空券やホテルを直接手配する旅行者も増え、需要が低迷。旅客機の中小型化が進んで座席数が減り、座席を安く仕入れることも難しくなった。

 一昨年には高齢者層の開拓を狙い広告費を増やしたが、旅行客を集められなかった。山田社長は「ネットからシニアへと移ろうと思ったが、シニアは紙媒体の(広告)費用などが高コストになるビジネス。そこを見誤った」と話した。

 てるみくらぶは二十三日、航空券の発券に必要な航空会社の業界団体への約四億円の支払いができず新規受注を停止。この日まで新聞広告などで顧客を募っていたことについて、山田社長は「二十二日夕までは資金繰りのめどが立っていたが駄目になった」と弁明した。

 観光庁によると、二十六日時点で約二千五百人がハワイや韓国など三十八カ国・地域に滞在中。帰国の便は確保されているが、宿泊費などで、てるみくらぶの未払い分の支払いを求められる可能性があるという。 (矢野修平)

 

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