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【経済】

女性活躍推進法施行1年 中小企業に温度差、大企業は人材獲得激化

女性活躍の現状や課題について話し合う古河電工グループの女性社員ら=東京都千代田区で(同社提供)

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 女性の採用や昇進に向けた企業の取り組みを促す女性活躍推進法が昨年4月に施行されてから、1年となった。行動計画の策定を義務付けられた大企業が人材獲得を狙い積極的な取り組みを進める一方、義務を負わない中小企業には温度差もある。女性からは働き方そのものの見直しを求める声も上がっている。

■優良認定

 古河電気工業は二〇一六年四月、法施行に伴い始まった女性活躍推進の優良企業認定を受けた。一八年度までの行動計画で「採用者の女性比率を倍増」などの目標を掲げ、男女ペアのメンター(助言者)制度を設けるなど、男性も巻き込む活動が評価された。

 社員約三千人のうち女性は一割弱。男性中心の業界で、女性は長い間取引先から相手にされなかった。しかし国際的な事業展開や国内の人手不足で、多様な人材が必要と判断。一四年に専門部署を設置し取り組み始めた。

 その結果、複数の部長職女性が誕生、社員の意識も変わった。ただ、他社も積極的に女性を採用しているため「法施行後は優秀な女性の獲得競争が激化している」(同社)といい、採用比率は微増にとどまっている。

 女性活躍推進法は大企業に、採用時の男女比率や管理職に占める女性比率などを分析し、数値目標を設けて行動計画を策定することを義務付けた。熱心に取り組む優良企業として厚生労働省に認定されると、働きやすさをアピールできるほか、公共工事や事業の入札で優遇されるなどのメリットがある。認定企業は大企業を中心に二百六十九社に上る。

■男性上回る勤続

 計画策定などが努力義務にとどまる中小企業の対応はさまざまだ。群馬県桐生市の染色加工業「朝倉染布」は社員九十八人のうち四割弱が女性で、平均勤続年数は約十九年と男性を上回る。優良企業の認定も受けた。

 以前は出産で退職する女性が大半だったが、短時間勤務の期間延長など制度の見直しで、勤続年数が飛躍的に伸びた。同社開発調色グループ初の女性リーダーで、色の調合や顧客との折衝を担当する橋本宣子さん(51)は「仕事を任されるのが励み」と話す。

 一方、社員四十五人のうち四割を女性が占める川崎市の機械部品メーカーは、課長級の女性が五人いるなど女性登用に積極的だが、行動計画は策定していない。社長は「不景気の影響で男女関係なく仕事を任せるようになった。法律で縛ることではない」と冷ややかだ。

 国内では中小企業が圧倒的に多いが、行動計画を策定したのは二月末時点で二千五百二十三社にとどまる。

■「関係ない」

 国が大々的に旗を振る中、女性からは「私には関係ない」といった声も聞かれる。千葉県のパート女性(45)は正社員として十四年間働いたが、長時間労働などで体調を崩し退職した。月収は約十二万円。「国の視点はずれている。働き方などもっと基本的な部分を改善して」と訴える。

 女性活躍推進法に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢島洋子室長は「女性が仕事と生活を両立し、活躍するには、全ての社員の働き方がハード過ぎず、柔軟になることが重要」と強調し、「企業の取り組みが短期的なものに終わらないよう注視する必要がある」と指摘する。

 

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