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【経済】

アメ車は売れるか 日米ハイレベル経済対話で注目

(上)試乗したGMのキャデラック「ATS」(中)ATSの内装。左ハンドルには緊張(下)FCAのジープ「レネゲード」。日本向けに対応して人気という

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 日米両政府が貿易のあり方などを話し合う「ハイレベル経済対話」の初会合が18日、東京で開かれる。注目は自動車分野の交渉だ。トランプ政権は米国車、いわゆる「アメ車」が日本で売れない理由は「日本独自の安全基準や検査手続きなどが障害になっているからだ」と主張。初会合で一段の市場開放を求める可能性がある。ただ日本では「アメ車が売れないのは、単に魅力的なモデルが少ないから」との指摘も根強い。実際はどうか。運転して確かめた。 (妹尾聡太)

■静かで落ち着く

 「まずは入門モデルを試しては」。米ゼネラル・モーターズ(GM)日本法人に貸し出しを頼むと、広報担当の安部麻甲(まき)さんが高級車「キャデラック」の中では小型になるセダン「ATS」(排気量一九九八cc)を薦めてくれた。

 滑らかな加速感、カーブでの安定感が心地よい。車内は静かで落ち着く。全長(四・六八メートル)はトヨタ自動車の「クラウン」より短めだ。「大きくて燃費が悪いというアメ車のイメージは過去のもの」と安部さん。実燃費はガソリン一リットル当たり九キロ程度だった。

 ただ大半が右ハンドルのドイツ車と違い、左ハンドル。乗り始めは右折や追い越しで緊張した。駐車場のゲートで車から降り、わざわざ反対側に回って入場券を取ることもあった。

■まだ劣勢

 次はフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のスポーツタイプ多目的車(SUV)、「ジープ」の最小モデル「レネゲード」(一三六八cc、二百九十七万円から)。平坦(へいたん)な道はゴツゴツした乗り心地だが、悪路を苦にしない「ジープらしさ」には魅力を感じた。さらにこちらは右ハンドル。FCA広報担当の黒岩真治さんは「日本向けの車種は全て『右』」とアピールした。

 キャデラックは従来のアメ車のイメージと違う「落ち着き」があった。ジープは「右ハンドル」「小型」など日本の道路事情に沿う要素を備え、人気だ。

 ただこれら二車種と同サイズの車の市場は欧州勢も力を入れる激戦区だ。「ATS」の価格は四百七十九万〜五百七十万円で、同タイプのドイツ車より「安い」とも言いがたい。キャデラックの国内の新車販売店数は約三十、ジープは約七十五で、百数十〜二百以上のドイツメーカー各社より少なく、劣勢が続く。

 ドイツ車に負けない優れた車をつくり、広く宣伝しないとシェア拡大は望めそうにない。地道な努力が必要になりそうだ。GMの安部さんは「販売努力が足りないと言われればそれまで。販売店網を整え、多くの人に試乗してもらい車の良さを伝えたい」と話した。

<日本でのアメ車販売と米政権の主張> トランプ政権は日本の自動車市場が「閉鎖的だ」と批判。輸入時の検査の簡略化などを要求している。米政府は以前、国産車販売店でアメ車を売ることなどを求めたこともあった。ただ現在、欧州勢から同様の要求はない。

 昨年、国内で売れた外国車は約30万台。ドイツ車が約7割を占め、約5%のフランス車などが続いた。アメ車は5%未満の約1万4000台。米国は日本車に2.5%の関税をかけるが、日本は輸入車に関税を課さない。

 

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