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【経済】

派遣社員に仲介料非公開 大手9社中6社 本紙調査

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 派遣労働者の賃金について、派遣先の企業が払う派遣料金から仲介手数料を差し引く割合(マージン率)を、多くの派遣会社が労働者本人に公開していないことが、本紙の調査で分かった。労働者一人一人のマージン率の公開が法律で義務付けられていないためで、公開は各社の自主判断。情報公開に後ろ向きな業界の姿勢が鮮明となった。 (中沢佳子)

 マージン率が30%の場合、企業が労働の対価として月三十万円の派遣料金を払っても、派遣会社が30%に当たる九万円を徴収し、労働者は二十一万円しか受け取れない。厚生労働省の調べによると、支店など事業所ごとのマージン率の平均値は、20〜30%のところが多いという。

 本紙が大手九社に書面と聞き取りで調査したところ、六社が個別の労働者のマージン率を本人にも教えていなかった。理由は「個人分は法律で公開義務の対象になっていない」(パソナ、テンプなど)と答えた会社が多い。

 また、二〇一二年の労働者派遣法改正で、事業所ごとのマージン率の平均値については公開が義務付けられたが、労働者が事業所に出向かないと確認できないケースが大半だった。多くの社は一五年以降になってようやくホームページ(HP)で広く公開するようになり、最大手のパソナのHP公開は今年に入ってからだった。

 政府は同一労働同一賃金を掲げ、非正規労働者の待遇改善を約束しているが、自分の労働に企業がいくら払っているかが分からなければ、賃上げ要求すら難しい。派遣会社にマージン率の公開を求めたが拒否されたという埼玉県の女性(43)は「マージン率が分かれば、待遇を含めて自分で仕事を選び、納得して働けるのに」と話す。

 派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「派遣先の企業が賃上げのために派遣料金を上げたのに、派遣業者は労働者の賃金を上げなかったケースが実際にあった。個別に情報を公開させるとともに、マージン率の上限を定めることも必要だ」と指摘している。

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