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【経済】

物価上昇、賃金追いつかず 3月の給与総額10カ月ぶり減

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◆3月の給与総額10カ月ぶり減

 政府が九日発表した三月の毎月勤労統計調査(速報、従業員五人以上の事業所)で、一人当たりの現金給与総額は十カ月ぶりに減少し、正社員を中心に賃上げの勢いの弱さが浮き彫りとなった。雇用環境が改善しているものの、給与に反映されない状況が続く。 (矢野修平)

 厚生労働省によると、基本給や残業代などを合計した総額は前年同月比0・4%減の二十七万七千五百十二円だった。雇用形態別では、パートタイム労働者の時間当たりの賃金は人手不足の影響などから2・1%増と、六十一カ月連続で前年を上回った。一方、正社員などの一般労働者の基本給は0・1%減と約三年ぶりにマイナスに転じた。

 物価変動の影響を加味した三月の実質賃金も、エネルギー関連価格の上昇で前年同月比0・8%減と二カ月ぶりに減少。賃上げが物価上昇の勢いに追いついていないことが明らかになり、個人消費には痛手だ。

 三月の完全失業率が2・8%とバブル期並みの低水準にもかかわらず、正社員の賃上げが鈍いのは、企業収益の先行きの不透明さが背景にある。みずほ証券の上野泰也氏は「人口減から国内市場は縮小傾向にあり、雇用調整しにくい正社員の賃金を上げにくい状況が続いている」と指摘する。

 経団連が先月末に発表した二〇一七年春闘の賃金交渉の第一回集計では、大手企業の月給の平均賃上げ率は2・18%で前年を下回っている。政府の賃上げ要請を受けた「官製春闘」も陰りが見え始めている。

 

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