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【経済】

稼ぎ頭はモノからカネに 経常黒字、リーマン・ショック前水準

 財務省が十一日に発表した二〇一六年度の国際収支状況(速報)によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は、前年度比13・1%増の二十兆一千九百九十億円の黒字だった。リーマン・ショック前の〇七年度以来、九年ぶりに黒字幅が二十兆円を超えた。近年は貿易による黒字よりも「配当や利子で得る黒字」が増えており、日本が海外から稼ぐ形が変わってきている。 (白山泉)

 経常収支のうち、モノの取引を示す貿易収支は、前年度の一七・五倍の五兆七千六百五十四億円となった。原油や天然ガスなどの資源価格が下がり輸入が10・9%減(約八兆円減)となったことが主な要因だ。

 ただ、経常収支の黒字の大半を占めているのは、株式配当金や外国債券の利子収入などの所得収支。一六年度は十八兆三百五十六億円の黒字だった。

 製造業が海外に生産を移すにつれて、海外子会社からの配当収入が増えており、〇五年度以降は所得収支が貿易黒字を上回る状態が続いている。日本は、自動車輸出などの「モノ」の貿易から、日本企業が海外投資などで得る「カネ」で稼ぐ経済構造になっている。

 みずほ証券の末広徹氏は「海外の現地生産、現地販売が増えて投資した企業はもうかり、株主にも還元されている」と説明する。一方で、国内生産が大きく増えているわけではない。末広氏は「稼ぎ頭がモノからカネに移り変わり、労働者への恩恵が少ない経済構造になっている。企業の収益をどうやって広く分配していくかが課題だ」と話している。 

 

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