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【経済】

営業益、5年ぶり減 3月期決算 集中日

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 東証一部上場企業の二〇一七年三月期決算発表が十二日、ピークを迎えた。SMBC日興証券によると、純利益は最高益となる見込みだが、本業のもうけを表す営業利益は五年ぶりに減益となる見通しだ。一八年三月期の営業利益は増益に転じるとみられるが、トランプ米政権が保護主義的な姿勢を示し、輸出など経営環境に不安材料を抱える企業は多い。深刻な人手不足で人件費増を見込む業界もあり、慎重な業績予想を示す企業が目立つ。 (中沢佳子)

 「トランプ政権の政策を見通すのは大変難しい」。トヨタ自動車の永田理(ながたおさむ)副社長は決算発表の記者会見でそう語った。トヨタのメキシコ工場建設計画などを批判してきたトランプ氏。その後は矛を収めたが、対日貿易赤字を問題視する姿勢は変わらない。トヨタは北米や日本での販売減などの影響を見込んで一八年三月期の営業利益を19・8%減と予想。一八年三月期の営業利益を前期比二億円減と予想した自動車バネ大手の中央発条も「保護主義的政策や為替レートの変動」を懸念材料にあげた。

 人件費増も業績予想に影響を与えている。ヤマトホールディングス(HD)は一八年三月期の営業利益を前期比13・8%減の三百億円と予想した。サービス残業をなくすことなどで給与は3%強増える見込み。牛丼店「すき家」などを展開するゼンショーHDも一八年三月期の人件費を前期より十一億円多い三十億円と見積もった。

 SMBC日興証券が十一日までに決算を発表した東証一部上場の八百六十社(全体の59・7%)を対象にまとめた集計では、一七年三月期の純利益は15・4%増。製造業の0・9%減に対し非製造業が52・1%増と伸びた。特に卸売業が四倍以上の増加と突出。資源価格の下落で資産の評価引き下げなどに伴う巨額の損失を出した大手商社の業績が、資源価格の持ち直しで回復した。

 ただ純利益は、営業利益に利息の支払い・受け取りなどを加減した経常利益から、特別損益や税金などを加減したものだ。企業の「稼ぐ力」を表す営業利益でみると、一六年前半の円高が響き5・9%減と「アベノミクス」始まって以来、初の減益となった。

<純利益> 企業が一定の期間で最終的に得られる利益。「最終利益」や「税引き後利益」ともいう。営業利益が本業のもうけを示し、営業利益から利息の支払いや受け取りなどを加減したものを経常利益という。固定資産の売却益や災害に伴う臨時損失など、ある期間だけ例外的に発生する特別損益と税金を経常利益から加減したものが純利益になる。赤字の場合は純損失となる。

 

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