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【経済】

世界同時サイバー攻撃 国内2000端末に感染拡大

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 世界各国で相次いだサイバー攻撃で使われたコンピューターウイルスによるとみられる被害は国内企業にも拡大した。サイバー攻撃対策の支援を行う団体「JPCERTコーディネーションセンター」は十五日、十三日から十四日にかけ国内でウイルス感染したパソコンが約六百カ所、二千端末に上ったと明らかにした。各社は不審なメールは開かないよう社内で注意喚起するなど警戒を強めている。

 政府は十五日、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、情報収集を強化している。菅義偉官房長官は記者会見で、国内へのサイバー攻撃の状況に関し、ウイルスでシステム障害が発生したことを同日公表した日立製作所と「同様の被害を受けたという情報が複数寄せられている」と明らかにした。

 攻撃に使われたのは、データを暗号化して読めなくし、復旧のための金銭を要求するウイルス「ランサム(身代金)ウエア」。日立では国内と海外の一部のパソコンが攻撃を受け、メールの送受信が困難となり、添付ファイルも開けなくなる被害があった。家電の受発注システムにもトラブルが発生した。茨城県の日立総合病院も被害に遭った。

 JR東日本は十五日、パソコン一台が一連のサイバー攻撃と同種ウイルスに感染したと明らかにした。鉄道運行などに影響はないという。川崎市もパソコン一台が感染したと発表した。

◆旧型ウィンドウズ ソフト更新を

 今回のランサムウエアには「ワナ・クライ(泣きたい)」という名前が付けられている。パソコンの中のデータを暗号化して読めなくし、元に戻してほしければ金銭を払えと脅迫する。中小企業などが感染すると、仕事が全くできなくなる恐れがある。

 感染を広げる仕組みには、米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」のセキュリティー上の弱点が悪用された。複数のパソコンでファイルを共有する機能に弱点があり、感染したウイルスが活動を始めると、自分の複製をほかのパソコンに送り込んで増殖するとみられる。

 マイクロソフトは弱点を修正するアップデート用ソフトを三月に配布したが、「XP」といった古いOSは既にサポートが切れており、修正ソフトがなかった。しかし現在もXPを使っていた組織が被害に遭った例も多いとみられ、マイクロソフトは急きょXP用の修正ソフトを配る異例の対応に踏み切った。

 情報処理推進機構(IPA)の江口純一セキュリティセンター長は「サポート切れのソフトが一番危ない。セキュリティーの観点からは新しい製品を使ってほしい」と強調する。

 情報セキュリティー会社ネットエージェントの杉浦隆幸会長は「まずOSのアップデートを実行すること。それから重要データのバックアップも大切だ。データの保護ができていれば、感染しても実質的な被害はなくなる」と話している。

 

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