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【経済】

日欧のEPA交渉がヤマ場 チーズと自動車で難航

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 日本と欧州連合(EU)が貿易や投資の強化を目指して進めている経済連携協定(EPA)交渉がヤマ場を迎えている。中でも関税分野は、日本が輸入する欧州産のチーズや日本が輸出する自動車で双方の主張が折り合っていない。日欧は七月上旬の首脳会談での大枠合意を目指しており、難航する分野は、今月中にも行われる閣僚級の直接会談による政治決着に移る。

 十九日から東京都内で行われている首席交渉官会合で、日欧間の主張に最も隔たりがあるのが欧州産チーズの関税の扱いだ。日本は豪州などと合意した環太平洋連携協定(TPP)で、「モッツァレラ」や「カマンベール」などのソフト系で最大29・8%の関税を維持した。しかし、欧州の中で輸出拡大を狙うフランス、イタリアなど原産国が関税の引き下げを強く要求している。

 TPP以上の関税の引き下げに対して、日本の農業団体らは難色を示している。EUにTPP以上の関税引き下げを認めれば、TPPを脱退して日本と二国間の交渉を狙う米国から「TPP以上の譲歩を迫られるのではないか」(農業団体幹部)との懸念があるためだ。

 二十七日に欧州委員会のホーガン委員(農業担当)と電話で会談した山本有二農相は、記者団に「(チーズで)譲ることはそれほど考えていない。(向こうが)歩み寄っていただきたい」と述べた。日本側は、チーズの品目を細かく分け、国内影響の少ない品目の関税撤廃にとどめたい考えだ。

 逆に、日本が欧州に譲歩を強く求めているのが10%の関税がかかる自動車だ。日本車のライバルとなる韓国車は、二〇一一年に発効したEUと韓国のEPAで既に無税となり、競争力に差がついている。日本は欧州に協定発効から七年前後で撤廃することを求めているが、EU側は十年超との主張を崩していない。

 日欧は、三十日にも欧州からマルムストローム委員(通商担当)が来日して、膠着(こうちゃく)状態の交渉の打開を目指す。協議を通じて自由貿易推進のメッセージを打ち出す点で一致するが、日本では「工業製品のために農業が犠牲になるパターンはやめていただきたい」(奥野長衛JA全中会長)との声が根強く残っており、大枠合意は簡単ではない。

 

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